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「新築」でなくなると、家賃は下げざるを得ない現実
最初に、「新築」とはどのようなマンションのことなのかを定義しておきましょう。完成後1年未満、かつ未入居であることです。いくらピカピカでも、1日でも人が住んでしまえばその時点で新築ではなくなり、中古物件になります。
住まいに対して私たち日本人は、「新築志向が強い」と以前から言われてきました。それが「新築プレミアム」なるものを引き起こしているという指摘もあります。
この「新築プレミアム」とは、新築時に本来の相場価格を超えて値がつけられることです。あくまでも新築であることについているプレミアム(付加価値)なので、数年経つとプレミアム分が失われてガクンと値が下がってしまうのです。
5,000万円で購入した新築物件であっても、数年で4,000万~4,500万円まで値が落ちてしまいます。言い換えると、それだけ新築は高めに価格が設定されているというわけです。
ここ数年、都心部の地価は上昇し建築資材も高騰しています。ある不動産専門家は、「今、新築を買うというのは、ここ何十年のスパンの中で最も高い買い物をしていると言わざるをえない」との見方を示しています。
自宅のために高いお金を出してでも新築を求める気持ちは、わからなくもありません。しかし、本当にそこまで無理をする必要はあるのだろうかという気持ちも心のどこかにあるのではないでしょうか。
ところで、この「新築プレミアム」は賃貸の世界にもあります。新築で貸し出したときには強気の家賃設定ができる可能性が高く、この強気が新築プレミアムというわけです。しかし、1人目が退去してしまう3年目あたりでもう新築とは呼べなくなり、強気になり切れないことによって価格を下げざるを得なくなるのです。
不動産投資の成功には事前のシミュレーションが重要
新築、中古のどちらであっても不動産投資は中長期的な視野で取り組むビジネスです。そのため不動産投資の成否はそのまま人生全体のマネー戦略に深く関わることになります。このことを踏まえると、失敗は何としても避けなければなりません。
そこで重要になるのが、事前の入念なシミュレーションです。不動産投資のシミュレーションができるツールはたくさんありますが、先ほど述べたように不動産投資は人生全体のマネー戦略にも深く関わるため、ライフデザインと照らし合わせながらシミュレーションをする必要があります。