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相場の上下で損得は決まるが、それだけだと大きな金額は動かない
FXの収支に関する話の中では「FX取引で数百万円も儲けた」とか「相場変動で退職金が吹き飛んでしまった」というようなケースを耳にする機会が多いと思われます。しかしFX取引をしていて、これほど大きな金額が動くケースというのはほとんどありません。
FXの収支の説明をする際には、下記のような説明をされるケースが多いです。
1. 1ドルが100円のときに1万通貨分(100万円分)を購入したとする
2. 1ドルが105円のときに購入した1万通貨を売却すると5万円の利益が出る
3. 1ドルが95円のときに売却すると5万円の損失が出る
このようなものです。ポジションをエントリーした際に「売り」からスタートする場合は、このケースが真逆になるのですが、このように円単位で変動する機会など数年に1度くらいしか無いと言っても過言ではないでしょう。
為替相場が大きく変動するような事件とは
為替相場が大きく変動する事件は数年に一度程度ですが、直近で起きた事件としては、主に下記の4点が挙げられます。
・ 2020年 新型コロナウイルス問題
・ 2015年 スイスフランショック
・ 2011年 東日本大震災
・ 2008年 リーマンショック
この他にも小さな事件や変動の原因となる事象は起きていますが、世界中を巻き込んだ大きな事件としては数年の1度のペースでしか起こっていないということです。
このような大きな事件となると、数円~数十円の変動があることも珍しくありませんが、通常は1日での上限と下限でも1円も変動しないのが普通だと認識してください。
直近の騒動としては中国恒大の問題が挙げられますが、こちらは上記の4つと比較するとそれほどFX市場には影響が無かったことが特徴的です。
日常的に相場が変動した際の具体的なプラスやマイナスの計算について
FX市場での日常的な相場の変動というのは、プラスマイナス1円以内に収まるケースが多いです。そのため、普通の取引をしていれば急激な変動が無いために破産するような事態に陥るケースは稀と言っても過言ではありません。
それでは、FX取引をしていて日常的な相場の変動におけるプラスマイナスの計算をしていきましょう。まずはFX取引におけるプラスマイナスの基本について紹介しますが、FX取引では自国の通貨を売って(買って)、他国の通貨を買う(売る)というのが基本です。
簡単なイメージをすると、「1ドルが100円のときに1万通貨での買いポジションを持つ」のは、「日本円を100万円分売って、米ドルを1万ドル分買う」という取引となります。この際に購入した1万ドル分の通貨を相場が100.5円(0.5円アップ)となったときに「米ドルを売って日本円を買い戻す」という取引をすることによって、「0.5円×1万通貨=5,000円のプラス」という計算式が成り立ちます。
この状況だけを説明すると、「100万円を使って5,000円の利益を得た」ということになるので、利益額で考えると「そんなに儲けていないのでは?」と考える人も多いかもしれません。
また、「日本円/米ドル」というのは安定した通貨ペアでもありますので、24時間単位で考えた場合に0.5円以上の変動があるのは週に1回くらいの頻度となっています。
そう考えると「100万円も使って24時間で5,000円しか稼げないの?」と思う人も多いでしょう。これは「1回の取引での最大利益を求めた場合」となるので、超短期間で取引を繰り返すのなら話は少し変わります。
FX市場というのは相場が秒単位で変動することが挙げられます。そのため、相場の変動が0.005円に達した段階で売り買いを繰り返して、100回分のプラスを得たとすると、「0.5円分の利益を得た」ということになります。0.005円分の変動で良いのなら、1分~5分程度で相場が変動するので100分~500分もあれば0.5円分の変動があったことと同じ状況となります。そうすると、24時間で0.5円しか変動しなかったことが、8時間もあれば0.5円分の変動となるために、理論値で考えれば1日に1円以上の変動があったということです。
このように、FXでは通貨の「買い」と「売り」によって利益を出す投資手法なので、相場が上がっても下がっても利益を出せるのがポイントとなっています。