FXに興味を持ち、インターネットで検索をすると、毎日のようにFX会社の広告を見るようになります。広告の内容は各社異なりますが、基本的に、悪いイメージを抱かせることは一切掲載されていません。しかし、その内容を信じて利用すると痛い目にあってしまうことも。本記事では、日本のFX会社が受けた行政処分について見ていきましょう。
「虚偽広告で行政処分」…“悪い噂の多いFX業界”での酷いトラブル事例 ※画像はイメージです/PIXTA

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日本のFX会社が「虚偽広告」で財務局から行政処分

海外のFX会社については悪い噂を耳にすることも少なくないと思われますが、「日本のFX会社は安心・安全」という神話は疑わない人が多いようです。

 

しかしあまり知られていないだけで、日本のFX会社でも、行政処分が下されるような悪いことが意外と行われています。

 

情報は財務局が公表しており、調べると色々と出てくるのですが、今回はそのうちの1つ「最近下された、X社への行政処分」について詳しく見ていきましょう。

 

X社は日本最大手のインターネット関連企業が運営しているFX会社です。そんな大手企業に、いったいどんな行政処分が下されたのでしょうか。

行政処分された理由とは何だったのか?

令和2年8月4日付、ほんの1年前ぐらいのでき事です。「著しく事実に相違する表示のある広告を打ち出した」として、違法性を指摘されました。「嘘の広告を出稿し、宣伝していたため行政処分を受けた」ということですね。

 

広告を出稿していた期間は「平成29年9月6日から令和元年11月18日まで」であり、実に2年以上もの間、ユーザーは騙されていたということになります。

 

嘘の広告に記載されていた内容とは?

 

問題となった内容は「スリッページなし(0%)、A社調べ」という文言でした。スリッページというのはFXの用語で、「約定確定の処理をしている最中に相場が変動すると、変動後の相場で約定されてしまうこと」を指します。

 

つまりスリッページとは、「クリックした後に相場が変動して損が出たとしても、それはシステムの仕様なので一切の保証はしません」ということです。X社が出稿していた広告では、これが起こらないと宣伝していました。

 

しかし、実際にはスリッページが発生しているという報告が多く寄せられ、関東財務局から注意勧告を受けたのです。

 

この段階では行政処分はまだ下されていません。

 

しかしX社は注意勧告を受けても検証すること無く、広告の掲載を続けました。無視を続けたことで、行政処分という重い罰を受けることとなったのです。

 

行政処分といっても、罰金や業務停止命令といった処分が下されたのではなく、「対応状況を随時書面で報告すること」を課されただけでした。

 

利用者の視点から考えると「それは罰になっているのか?」と考えてしまうかもしれません。嘘の広告に騙されてX社を利用し、スリッページが発生してマイナスを被ってしまったユーザーもいるでしょう。

 

しかし、マイナスとなったユーザーに対する補償などは一切行われていないので、ユーザーからすると何が何やら分からないという人がいるのも事実です。

 

自分の利用するFX会社が信用できるのか否かについては、あまり広告を鵜呑みにせず、やはり自分自身で答えを出さなければなりません。