今年、34歳を迎える1987年生まれの会社員。さとり世代(1987年~2004年生まれ)と呼ばれる最初の人たちです。どのような時代を生き、どれほどの収入を得て、どのような未来が待っているのでしょうか。見ていきましょう。
さとり世代1期生…1987年生まれ「大卒34歳会社員」が将来手にする「推定年収」 (※写真はイメージです/PIXTA)

就職難だった「大卒のさとり世代1期生」の現在地

2010年に大学新卒で社会人になった1987年生まれの会社員。当時の平均的な初任給は男性で20万0,300円、女性で19万3,500円。前年比、男性は0.5%減、女性は0.7%減でした。スタートこそ波乱含みのさとり世代1期生ですが、その後、アベノミクスや東京五輪などの期待感から、日本経済は上昇傾向に。

 

ちなみにこの年の日経平均株価は、1月4日10654.79円円で始まり、12月30日10228.92円で終わっています。途中、1万円を割り込み、8,000円台をつけることもありましたが、年末に向けて1万円台に回復しました。

 

そして2021年、34歳となった現在地。厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、30代前半の平均年収は441万4,000円。大卒では男性523万5,000円、女性439万4,000円となっています。

 

もちろんこれは、地味に就職難だった時期を上手く乗り越えた人たちの平均値です。

さとり世代1期生…これから手にする給与額

さとり世代1期生、今年34歳になった1987年生まれの会社員。今後、どのような会社員人生を送るのでしょうか。前出の調査によると、大卒男性会社員の場合、年齢があがるごとに給与は増えていき、30代後半では600万円台に、40代後半では700万円台を突破。50代前半には会社員人生最高の給与額に達します。

 

【大卒男性会社員「平均給与」の推移】

「20~24歳」334万2,100円

「25~29歳」440万4,900円

「30~34歳」523万4,900円

「35~39歳」610万3,500円

「40~44歳」687万6,100円

「45~49歳」758万6,300円

「50~54歳」869万0,100円

「55~59歳」835万6,000円

「60~64歳」569万2,200円

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より推計

 

現在、このような状況なのであれば、実際にその年齢になったときにはもっと給与が増えているのでは……そう思うかもしれませんが、あまり期待してはいけません。

 

国税庁『民間給与実態統計調査』によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均は433万円。これは1987年生まれの会社員が小学校に入学前、90年代初頭と同じ水準。日本の会社員の給与は、この30年間、浮き沈みはあったものの、ほとんど上がっていないという状況です。

 

今後「給与が上がる」といえる可能性はあるのか、といえば、材料は乏しく、現状よりも給与は低くなることもありえます。しかも高齢化の進展で、社会保障費の負担は大きくなることが予想され、給与は増えても手取りは減少……そんな未来が待っているかもしれません。

 

しかし、このような状況に、落胆などしないのがこの世代の特徴。将来を見据えて、しっかりと資産形成に励む……「堅実で高望みをせず、欲がない」といわれる、さとり世代1期生です。

 

 

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