子どもが不登校になったら、保護者は愕然としてしまうかもしれません。 しかし「学校にさえ行ってくれたら」と思ってしまうと、子どもはその期待に応えられない自分を責め、さらに学校に行きづらくなるという悪循環を生みます。本記事では、不登校児の親としてこの問題に対峙してきた、ほしな和生氏の著書『子どもが不登校になったら』から一部を抜粋・再編集し、「不登校の子ども」との向き合い方について考えます。
夫「子どものために仕事を辞めて欲しい」子が不登校になった母親の葛藤【フリースクール設立者の実話】 (※画像はイメージです/PIXTA)

別室に一時間程度だけ居て、すぐ家に帰って来る日々

でも、結局一度も教室には入れず、別室に一時間程度だけ居て、またすぐ家に帰って来るだけの日々でした。ただ、外出は徐々にできるようになりました。子どもは午前中家に帰ると、相変わらず宿題、ゲーム、読書と家事を手伝う日々。特に部屋にこもることもなく。家では家族全員、子どもに普段通り接しました。

 

誰も、学校へ行っていないことについてあえて触れませんでした。夫に私は、「絶対にこの子は大丈夫やから、私に任せて欲しい」と言い、夫もそれを理解して全てを私に任せてくれました。そして子どもに対し不登校のことに関して一切何も言いませんでした。本当にありがたかったです。

 

夫の実家には、遠方に住んでいることもあり、学校に行っていないことをあえて伝えませんでした。他のきょうだいたちには私から特に何も言いませんでしたが、毎日そんな子どもと今まで通り一緒に遊んでくれました。それも、今思えば子どもにとってすごく良かったのではないかなと思います。

 

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ほしな 和生

大阪府立大学卒業。 某大企業勤務時代に小学校への出前授業を一から企画、教材開発し、講師として教壇に立つ。 延べ1万人の子どもたちに授業を実施。 出前授業は「キッズデザイン賞」、「おおさか環境賞」大賞受賞。 その後独立してフリースクールを立ち上げ、学校に行っていない子どもとその保護者のサポート支援に従事。 趣味はバンド活動、動植物飼育、日本酒、旅行など。