子どもが不登校になったら、保護者は愕然としてしまうかもしれません。 しかし「学校にさえ行ってくれたら」と思ってしまうと、子どもはその期待に応えられない自分を責め、さらに学校に行きづらくなるという悪循環を生みます。本記事では、不登校児の親としてこの問題に対峙してきた、ほしな和生氏の著書『子どもが不登校になったら』から一部を抜粋・再編集し、「不登校の子ども」との向き合い方について考えます。
夫「子どものために仕事を辞めて欲しい」子が不登校になった母親の葛藤【フリースクール設立者の実話】 (※画像はイメージです/PIXTA)

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夫「子どものために仕事を辞めて欲しい」悩んだ末に…

我が子が不登校になった当時私はフルタイムでがっつり働いており、仕事を辞めようか随分悩みました。夫にも「子どもをフォローするために辞めて欲しい」と言われていました。

 

でも、もしも仕事を辞めてしまったら、一日中一緒に居ることで、子どもはかえってしんどくなるんじゃないかと。不登校だった子を持つ友人も、「仕事は辞めたらあかんで」と言ってくれて。私は私の人生をしっかり生きて、その姿を子どもたちに見せたかったこともあり、会社には現状を話して短時間勤務にしてもらいました。融通が利く職場で本当に良かったです。

 

学校に行かないことで子どもが昼夜逆転になることだけはどうしても避けたくて、私は学校の別室に毎日行かせることにしました。なんとか朝定刻に起きてもらい、夜寝る生活を守るために。とにかくこのときは、気軽に誰かに相談することもできず、それこそ孤軍奮闘という感じで、自分が頑張らねば、なんとかしなければ、と必死でした。

昼夜逆転を避けるため、別室登校を始めることに

昼夜逆転を避けるため、子どもを学校の別室に通わせることにした私。毎朝、他の生徒が登校したあとの時間になってから、学校まで一緒に歩いて子どもを送り続けました。雨の日も、雪の降る寒い日も。意外と子どもは学校の別室に通うことをすんなり受け入れて、素直に学校までは歩きます。

 

でも学校の中にはなかなか入れず、そのまま一緒に家まで帰って来たこともたびたび。担任の先生が空き時間のときには電話をして、校門まで迎えに来てもらうこともありました。そのときは、割とすんなり担任の後ろをついて学校に入って行くことができました。

 

学校の中には入ったものの、別室まで行けないこともありました。まあ、週に二、三日ぐらい学校の別室に行けていたら上等のような感じで。外の目も気になるためか、別室からは二時間目の授業中にとっとと抜け出して家に帰って来ていました。日中の外出はほぼできず。