今年、50歳を迎える1971年生まれの会社員は、元祖・就職氷河期世代というべき世代の人たち。彼らはどのような時代を生き、どれほどの収入を得て、将来、どれほどの年金を手にするのでしょうか。みていきましょう。
元祖・氷河期世代、1971年生まれの50歳会社員…将来受け取れる「年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

元祖・就職氷河期世代「1971年生まれ」の人生は…

2021年、50歳を迎えた1971年(昭和46年)生まれ。当時は第3次佐藤栄作内閣のころです。同年6月には沖縄返還協定調印式が行われ、翌年、沖縄は日本に復帰します。高度成長期のなか公害問題が深刻化し、その年の7月に環境庁が発足しました。

 

海外に目を向けると、西側諸国と東側諸国との冷戦まっただ中。国連総会で中華人民共和国の国連加盟が決定する一方で、台湾(中華民国)は追放となるという転機が起こりました。

 

この年の流行語は「脱サラ」「ニアミス」「シラケ」など。今も使うような言葉が誕生しました。日本レコード大賞では、尾崎紀世彦『また逢う日まで 』 が受賞。『仮面ライダー』や『帰ってきたウルトラマン』が子どもたちの心を掴んだり、伝説的テレビ番組『8時だョ!全員集合』が、視聴率50.4%を記録したりしたのも、この年でした。

 

そんな1971年生まれが、大学を卒業し社会人となったのは1994年。バブル崩壊後、多くの企業が不況にあえぎ、新卒採用を取りやめたり、採用人数を減らしたりと、就職難の時代に突入したのがちょうどこのころ。「氷河期世代」と呼ばれる世代の、ちょうど第1期にあたるのが、1971年生まれ、ことし50歳を迎える人たちです。

 

1994年は細川首相、羽田首相、村山首相と、目まぐるしく日本のトップが変わった年。円高が加速し、戦後初めて100円を突破。消費税が3%から5%に増税となる税制改正法案が成立しました(実際に増税となったのは、1997年4月)。海外ではイスラエルがガザ地区から撤退し、中東和平でノーベル賞が送られました。一方で何十万人という虐殺が起きたルワンダ内戦が起きたり、ボスニア内戦が泥沼化したりなどの悲劇も繰り返されていました。

 

この年の流行語は「価格破壊」「就職氷河期」など。Mr.Children『innocent world』、篠原涼子with t.komuro『愛しさと せつなさと 心強さと』など18曲ものミリオンセラーが生まれ、松本人志著『遺書』が大きな話題に。そしてテレビでは「同情するなら金をくれ!」という決め台詞が流行語にもなった『家なき子』が最終回37.2%を記録する大ヒットとなりました。