今年、50歳を迎える1971年生まれの会社員は、元祖・就職氷河期世代というべき世代の人たち。彼らはどのような時代を生き、どれほどの収入を得て、将来、どれほどの年金を手にするのでしょうか。みていきましょう。
元祖・氷河期世代、1971年生まれの50歳会社員…将来受け取れる「年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

就職氷河期世代の人々の「初任給」はいくら?

1994年(平成6年)、氷河期世代元年ともいうべきこの年に、無事、大学を卒業し就職した人たちの初任給は、男性で19万2,400円、女性で18万4,500円(厚生労働省『賃金構造基本統計調査』より)。2019年(令和元年)と比較して、男性は2万0,400円、女性は2万2,400円ほど初任給が安かった時代です。

 

ちなみにこの年の日経平均株価は、1月4日17369.74円で始まり、12月30日19723.06円で終わっています。途中、2万円台前半で推移することも多かったものの、10月中旬を最後に、2万円台を切る水準で推移する展開となりました。

 

その後、氷河期世代元年の会社員は、不良債権問題の深刻化、ITバブル崩壊、リーマンショックと、なかなか良い時代に恵まれず……アベノミクスで何とか上昇気運か、というときにコロナショックと、踏んだり蹴ったりの会社員人生を送っています。

 

また構造改革により、30代以降は非正社員が増えたのもこの世代。正社員か、非正社員かで収入差が拡大したのも、同様の世代です。

 

そして2021年。厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、50歳の平均年収は590万0,500円。大卒では男性869万円、女性607万4,000円となっています。

 

*男女計、学歴計、50~54歳の推定年収

 

これから会社員人生、最高の給与を手にする1971年生まれ。ただしこれはあくまでも就職氷河期をなんとか潜り抜けた、上手くいった人たちの平均値といえます。

「老後は安心かつ、余裕のある暮らしをしたい!」が…

50代に突入し、子どもの教育、住宅ローンも先が見えた人も多い1971年生まれ。順調に会社員人生を送り、定年を迎えた後、手にする年金はいくらくらいなのでしょうか。

 

先ほどの平均的な給与を手にしてきた大卒男性会社員の場合、単純計算、ひと月で18.5万円*。総務省『家計調査 家計収支編』(2020年)によると、世帯主無職の65歳以上世帯の平均消費支出は23万0,514円。配偶者の年金もプラスすると、年金だけでギリギリ生活費がまかなえる水準です。

 

*簡易的な試算にるもの。実際の金額を保証するものではありません。

 

単身の場合、65歳無職の平均消費支出は13万8,542円。年金だけで十分生活できる水準だといえるでしょう。

 

ただこれは、あくまでも就職氷河期世代の中でも順調にキャリアを築いてきた人たちの一例。また貯蓄を取り崩していくことが前提となる年金暮らし。せっかく苦しい時代を生き抜いてきたのですから、老後くらいは安心かつ、余裕のある暮らしをしたいもの。残りの会社員人生、これかでも遅くないので、早めに老後のための資産形成をスタートさせることが、理想の老後につながります。

 

 

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