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月々の平均生命保険料と想定されるローン返済額はどのくらいの差があるのか
不動産投資では、よく「生命保険」の代わりになることがメリットとして挙げられることがあります。
実際、ローン加入時に団体信用生命保険に加入することになるため、返済期間中に死亡または高度障害状態になったときなどに、その保険金で住宅ローンの残高が完済されます。
そのため、生命保険の代わりになるといわれているのです。しかし、本当にそうなのでしょうか。生命保険料の年間支払い額や不動産投資の返済シミュレーションなどから、計算してみましょう。
「生命保険」に加入している世帯は9割…年間負担額は?
まずは、平均的な家庭が年間にどれくらい生命保険の保険料を支払っているのか、見てみましょう。
世帯の平均年間払込保険料(全生保、個人年金保険含む)※は、37.1万円。機関別では、民間の生命保険で35.9万円、簡保で20.3万円、JAで22.8万円、県民共済・生協等で7.6万円(前回7.7万円)となっています。
※世帯年間払込保険料=全世帯員の年間払込保険料の総合計/生命保険に加入している世帯数
月々の支払いは、2万円~3万円で、世帯の普通死亡保険金額(全生保)の平均は2,027万円となっています。
【世帯年間払込保険料(全生保)[世帯主年齢別]】
「29歳以下」21.5万円…月換算で、約1.8万円
「30~34歳」26.2万円…月換算で、約2.2万円
「35~39歳」38.2万円…月換算で、約3.2万円
「40~44歳」34.8万円…月換算で、約2.9万円
「45~49歳」37.5万円…月換算で、約3.1万円
「50~54歳」43.2万円…月換算で、約3.6万円
「55~59歳」43.6万円…月換算で、約3.6万円
「60~64歳」38.4万円…月換算で、約3.2万円
「65~69歳」43.6万円…月換算で、約3.6万円
「70~74歳」33.7万円…月換算で、約2.8万円
「75~79歳」31.4万円…月換算で、約2.6万円
「80~84歳」28.6万円…月換算で、約2.38万円
「85~89歳」35.8万円…月換算で、約2.98万円
「90歳以上」25.6万円…月換算で、約2.1万円
出所:公益財団法人生命保険文化センター『2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査(速報版)」(2021年9月発行)』より
※全生保は民保(かんぽ生命を含む)、簡保、JA、県民共済・生協等を含む
※85歳以上はサンプルが30未満
不動産投資をした場合の「月々のローン返済額」は?
次に、不動産投資の月々のローン返済額を見てみましょう。たとえば、文京区の2,000万円の中古物件(1K)を購入したとして考えてみましょう。
想定されるローン返済額
■自己資金0万円の場合
(毎月の返済額)102,011円-(想定家賃)66,000円=36,011円
■自己資金500万円の場合
(毎月の返済額)76,508円-(想定家賃)66,000円=10,508円
■自己資金1,000万円の場合
(毎月の返済額)51,005円-(想定家賃)66,000円=-14,995円
■自己資金1,500万円の場合
(毎月の返済額)25,502円-(想定家賃)66,000円=-40,498円
※返済期間を25年、金利3.675%を想定しています。
※文京区の1Kアパートの家賃平均を利用しています。
自己資金0円で購入しても、月々3.6万円の負担で不動産投資をすることが可能です。このほかにも修繕費や管理費などが必要になるため一概にはいえませんが、平均的な年間の生命保険料とそれほど変わらない自己負担額になっています。
もちろん、これは単純な計算であり、実際の不動産投資はシミュレーションした想定通りにいくわけではありません。また前出の調査は貯蓄性のある保険も対象にしており、「生命保険」と「不動産投資」の優劣は、結局は考え方次第だといえそうです
正確なアドバイスができ、信頼できるパートナーを探す
不動産投資はローン完済後、家賃がそのまま収入となるため、年金代わりにもなります。しかし、空室リスクや天災リスクなど、さまざまなリスクを抱えることにもなります。
ライフプランにあったものなのかきちんと判断するためには専門家の正確な情報が欠かせません。いまは、オンラインセミナーなど、気軽に話を聞ける手段もあるので、参加するのも一手といえましょう。