「元妻を相手に裁判した男性」も…つぎ込んだ衝撃額
私がこれまでの取材で出会った日本人男性で、妻のフィリピン人女性につぎ込んだ最高額は、宅地も含めて1億4000万円。本人の話だけでなく、実際に本人から見せてもらった送金証明書を計算してはじき出した数字だ。この男性はその後、妻を相手どってフィリピン国内で裁判を起こした。だが、相手の土俵で勝負しても勝ち目は薄い。
それに、そこまでの額に達すると、大金をつぎ込んだ日本人男性にも問題があると言わざるを得ない。よくフィリピン人女性に金を騙し取られた、という話を聞くと、フィリピン人女性が一方的に悪人のように思われがちだが、騙される「隙」を作った日本人の方にも原因はある。
さらに言えば、こういう日本人男性がいるから、「日本人=お金」という固定観念をフィリピン人に刷り込んでしまうのだ。ゆえに新たなターゲットが現れては騙されるという失敗談が際限なく繰り返されるのである。
水谷 竹秀
ノンフィクションライター