筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏は著書『新訂版 発達障がいに困っている人びと』のなかで、発達障がいとどのように向き合うべきか語っています。本記事では、発達障がい本人とその家族の「こころの問題」についてひも解いていきます。
我が子に「発達障がい」の疑いが…理解ない父が放った衝撃のひと言【医師が解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

子に依存し、母の行動がエスカレートしてしまうことも

もちろん母親が発達障がいの場合もあります。母親が発達障がいを抱えている場合は、父親よりもお子さんと一緒にいる時間が長いこともあってか、子育てに関わることにより症状が出ることが多く見受けられます。

 

お子さんの忘れ物が多い、指示を聞いてくれないといった場合に、手を出したり怒鳴ったりしてしまい、深刻になると、虐待に及ぶこともあるようです。お子さんに依存し、必要以上に束縛をしたり、過保護に育てたりする場合も多く、教育や医療に対し、自分(自分のお子さん)中心のさまざまな要求をしつこくしてしまうといった、世間でモンスターペアレントと呼ばれているような方たちがとる行動をしてしまうケースも少なくありません。

 

また、子育てには直接関係はないのですが、ネットやスーパーでついついたくさんの品物を買いすぎてしまうということも、発達障がいが影響している場合があります。

 

父親も母親もお子さんにとっては、もっとも身近にいてもっとも影響を受ける存在です。ですから、親御さんの発達障がいによってお子さんの症状も悪化してしまいます。お子さんの症状をいち早く改善するためにも、そして親御さん自身の人生のためにも、一緒になって発達障がいを乗り越えてみてはいかがでしょうか。