会社員・公務員の間で「不動産投資」の人気が高まっています。今回は、「足立区」の特徴から、人口減少エリアでの不動産投資戦略について見ていきましょう。
30年で「人口1割減」予測の「足立区」…投資エリアとしての価値  (※写真はイメージです/PIXTA)

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今まで通り老後資金は「自分で」つくる必要がある

岸田文雄政権は「成長と分配」をテーマにさまざまな経済対策を行う予定です。事業者や非正規労働者・子育て世代への給付金などを柱として中間層の所得拡大を図る政策を検討しています。

 

しかし、こうした政策はアベノミクスですでに実施されており、目立った効果は見られないものでした。

 

現状を見る限り、「足りない分は働いたり、投資で増やしたりしてください」という昨今の傾向は変わらず、投資で老後資金をつくる必要はこれまで以上に高まっているといえましょう。

会社員に向いている投資手法は?

政府は、NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)など、株式投資や投資信託で資産形成を進めていますが、会社員として働いています。しかし社会の情勢に合わせて価格が大きく変動する株式投資などの投資方法だけで、資産形成を進めるのはなかなか難しいかもしれません。

 

会社員には不動産投資が向いている、ともいわれています。不動産投資は、購入した不動産を貸し出して賃料収入を得るインカムゲインと、不動産を売却したときのキャピタルゲインで利益を得る投資方法です。

 

人口が減少している日本では、賃貸需要が減少するため、入居者集めが非常に難しくなるといわれています。しかし、エリアの特徴をしっかりと分析すれば、不動産投資で資産形成をすることは可能です。

 

今回は、東京都足立区を分析し、人口減少エリアでの不動産投資戦略をみていきましょう。

人口減少エリアである「足立区」の不動産投資…戦略でカバー可能か?

足立区は、西新井駅周辺地区や千住大橋駅周辺地区などの再開発、新線の開通に伴う沿線地域の都市基盤整備、大学の誘致などで老若男女が住みやすい街になっています。

 

しかし、東京23区のなかでは、最も人口が減少すると予測されている地域です。国立社会保障・人口問題研究所の『将来推計人口・世帯数』によると、2045年には人口が13%減ると予測されています。

 

■東京23区 2045年の人口予測
1位 東京都足立区  87.4%(586,011人)
2位 東京都葛飾区  91.0%(402,831人)
3位 東京都江戸川区 91.0%(620,227人)
4位 東京都北区   98.6%(336,281人)
5位 東京都中野区  99.2%(325,585人)

出所:国立社会保障・人口問題研究所『将来推計人口・世帯数』より

 

通常、このような地域は長期的な視点で考えると、空室リスクが高くなってしまうため、投資するエリアとして選ぶことは避けた方がよいでしょう。しかし、世代ごとの人口予測をみてみると、70代以上の世代は増え続けると予測されています。

 

■足立区 2045年の世代別人口予測
20~24歳 26062人(77%)
25~29歳 32399人(85%)
30~34歳 35343人(82%)
35~39歳 36090人(75%)
40~44歳 36649人(63%)
45~49歳 38244人(72%)
50~54歳 36704人(82%)
55~59歳 36636人(102%)
60~64歳 38877人(102%)
65~69歳 40723人(88%)
70~74歳 45401人(108%)
75~79歳 37542人(105%)
80~84歳 26464人(104%)
85~89歳 15487人(122%)

出所:国立社会保障・人口問題研究所『将来推計人口・世帯数』より

 

物件価格も中央区と比べると安くなっており、4,000万円前後です。初期投資費用で1,000万円程用意できればローン返済済額は15万円程になりますので、足立区の家賃相場が14万円程であることを考えると、問題なく老後の資産形成になるでしょう。

正確なアドバイスができ、信頼できるパートナーを探す

不動産投資は、場所選びや需給バランスを把握して行うことが成功するポイントですが、会社員として働いている個人では、なかなか情報を集めることは難しいものです。

 

正確な情報を集めるためにも、まずは、専門家の話を聞くことが大切です。いまは、オンラインセミナーなど、気軽に話を聞ける手段もあるので、参加するのも一手といえましょう。