最近、よく耳にする「FIRE」。FIREは投資などによる不労所得で生活費を確保し、貯蓄を切り崩すことなくリタイアを実現するスタイルです。普通の会社員が実現させるためにはどのような手段が考えられるでしょうか。
会社員がFIREを実現するには不動産投資が向いている理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

【関連記事】会社にしがみつくしかない人生なんて…人生の選択肢を増やす「FIRE」という生き方

FIREに必要な収入額

 

FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で「経済的自立と早期リタイア」を意味します。ここ十年くらいの間で、ミレニアム世代を中心にFIREを目指す動きが活発化しており、株式投資や投資信託をする若者が増えました。

 

FIREの実現には、「年間生活費の25倍の資産を確保し、投資などで年利4%の運用益をあげて生活費をまかなう」必要があります。

 

総務省『家計調査家計収支編2020年』によると、2人以上勤労世帯(世帯平均人員3.31人、世帯主平均年齢49.8歳)の消費支出は30万5,811円。単純計算で、年間生活費は366万9,732円。25倍すると9,174万3,300円となります。

 

しかし、厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、会社員(平均年齢43.2歳)の残業代などを除く平均月給(所定内給与額※2)は30万7,700円です。

※2労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当)として支給される給与をいう。

 

そこから、税金として、独身は住民税と所得税で約2万8,000円ほど、結婚して子どもがいる場合、住民税と所得税で2万9,000円ほど引かれます。

 

社会保険料として(「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」、さらに40歳以上であれば「介護保険料」)給与の約10%の額が引かれます。これに加えて、普段の生活では消費税を支払わなければなりません。

 

株式投資などの投資で9,174万3,300円という金額を用意するというのは現実的ではありません。では、現在会社員として働いている人がFIREを実現することは不可能なのでしょうか。