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FIREの本質は「FI(=経済的自立)」にある
トレンドとなりつつFIRE(=Financial Independence, Retire Early)ですが、同時にネット上や一部報道では、FIREに対して懐疑的な意見も出ているようです。その多くは「早期退職」に対して否定的な意見のようです。
「40代という働き盛りで労働資本を捨ててしまうのはもったいない」
「一度定職を離れてしまうと40代・50代では再就職が難しい」
「厚生年金の加入期間が短くなる為年金受給額も減り老後が大変になる」
などといった意見が多いようです。
これらの指摘はもっともだと私も思いますが、FIREの本質的価値は「早期退職(=RE)」ではなく、「経済的自立(=FI)」にあるといえます。
幸いにも、私は現在の仕事に充実感を感じており「辞めてしまいたい」とは思っていません。しかしながら、10年後、20年後も同じ気持ちで仕事に携わっている保証はどこにもないのです。
それは、労働環境の変化によって職場や待遇がガラッと変わってしまう可能性があるのはもちろんのこと、家族の都合や健康上の理由など、コントロールの効かない要素によって、仕事を〈辞めたい〉あるいは〈辞めざるを得ない〉と思うタイミングもあるかもしれないからです。
そんな環境に陥っても、経済的自立が確立されていれば安心です。
なぜなら、生活を維持するための労働から解放されているわけですから、サラリーマンを辞めてしまっても、来月以降も変わらぬ生活を維持することができるのです。
「会社にしがみつく」以外の選択肢がない人生なんて…
もし経済的自立が図れていなければ、どうなるでしょうか?
望まぬ配置転換、地方異動や給与・待遇の悪化があったとしても、会社にしがみつかなければならないかもしれません。うまく転職できればいいですが、一般的には年を重ねればそれも次第に難しくなります。
また、万が一家族や健康を犠牲にするリスクがあるといえるなら、一刻も早く会社から経済的な自立(独立)を図ることが重要ではないかと考えます。
つまり、FIREとは経済的自立を達成することによって、会社を続けるか辞めるかの〈選択肢を持てること〉だと思うのです。
経済的自立がなければ、そもそも早期退職というオプションを選ぶことができません。早期退職に興味がない方も自分自身の選択肢を増やすために、FIREを目指してみてはいかがでしょうか。
株式会社日本財託資産 コンサルティング部 マネージャー
岩脇 勇人