外資系企業と聞くと「成果主義」のイメージが強く、下剋上等日本の伝統的な「年功序列制度」とは無縁に思いますが、実際はどうなのでしょうか。キャリアコンサルタントの中山てつや氏は、著書『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』のなかで、職場で生き抜くノウハウを語っています。当記事では中山氏の実務経験をもとに、現代における企業の問題点を考察していきます。
会社員を幸せにするのは「年功序列」か「成果主義」か? (※画像はイメージです/PIXTA)

「勤続年数重視」のほうが、生産性向上に繋がることも

会社の中には、ある程度の年月をかけないと、結果が出ない仕事や職場も、数多くあります。考え方によっては、勤続年数を重視するほうが、「生産性の向上」に適している場合もあります。あくまでも、制度の運用次第ということになります。

 

外資系企業の日本法人で、社長として、長年活躍している知人の話です。

 

「成果主義は、全社の業績が今後も拡大していくという大前提のもとに成り立つもので、その環境があって初めて、個人の成果も出せるんです。継続して良い業績が見込めないのであれば、むしろ、昔の日系企業にあった年功序列制度のほうが、はるかにフェアな評価ができると思いますよ」

 

会社業績の継続的な拡大が見込めなければ、成果主義は「逆効果」になる、ということでしょうか。

 

なお、この会社は、グローバルベースで、10年以上にわたり、増収増益を続けており、その間、「ベースアップ」も、毎年継続して実施しているとのことです。「業容拡大の成せる業」かもしれませんが、特筆すべき事例であるとも言えます。

 

 

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中山てつや

1956年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。日系製造メーカー及び外資系IT企業を経て、主にグローバル人材を対象としたキャリアコンサルティングの仕事に携わる。