【関連記事】株式市場は予測不可能だが…「買ってはいけない銘柄」は明確
インフォネット(バリュー株)
■「優良な顧客を持っているかどうか」も投資判断指標の1つ
「企画・プロデュースからデザイン・コーディング、システム開発、運用サポートまで、専門スタッフによるワンストップサービスで最高のパフォーマンスを発揮します」とホームページで謳うたっているインフォネットは、2019年6月にマザーズに上場。3430円という高値からスタートし、年末には1640円に。2020年3月23日に519円まで下落した後、6月23日に2023円まで盛り返すも、2021年3月5日時点で1100円となっています(図表1)。
■大企業や公機関…「優良な顧客」を持っている点に着目
AIチャットボット、大容量ファイル送信システム、成果報酬型SEO、宿泊予約管理システムといったIT系サービスの内容もさることながら、注目すべきは、大手企業や公の機関を中心とした優良な顧客を保有している点ではないでしょうか? パソナグループ、東京臨海高速鉄道、セガ、東急ストア、産業技術総合研究所、世田谷目黒農業協同組合、日本卓球協会、台東区、日本赤十字社医療センター、成蹊小学校など、導入実績は450サイト以上。
コロナ禍を受けてリリースされたオンラインミーティングマッチングサイト「ビズトーク・マッチ」には、オンライン上でビジネスパートナーを探せるという利点もあり、サイボウズ、チャットワークといった有名企業を筆頭に、登録企業数も順調に増加しているようです。
上場時に高値をつけた後に下落し、今は安値圏にあるデジタル関連のバリュー銘柄と言えそうです。
AI CROSS(グロース株)
■どこかで「買い」のチャンスが巡ってくる可能性大
2019年10月に上場したAI CROSS。上場時は、公開価格1090円のところ、1800円の初値となり、幸先のよいスタートを切りましたが、業績は絶好調とは言い難い状況にあることも影響し、株価は伸び悩んでいます。
企業内容を詳細に分析しなくとも、社名に「AI」とついているだけで投資家はチェックしてみようと思うでしょう。
ビジネスチャットのログだけでなく、その内容をデータとして解析し、どうビジネスに活かすかに挑戦している会社です。直近では、保険業界向けサービスの共同開発、競争力を高めるための業務提携など、新たなサービス展開を加速させています。
2021年3月執筆時点で時価総額70億円程度と、まだまだ小さいため、200億円、300億円と成長していけるなら、株価も3倍、4倍となっていく可能性は十分にあります。そのため、どこかで買いのチャンスが巡ってくる銘柄だと、私も注目しています。
代表取締役を務めるのは、慶應義塾大学経済学部出身の原田典子氏。海外勤務、育児を経験する中で、IT活用の重要性を痛感し、AOSテクノロジーズから分社化する形で、トップに就任。ボードメンバーには、工学部や理学部の出身者、NTTドコモ、リクルートで経験を積んだメンバーが在籍しています。企業分析においては、どんな人たちが運営しているのかもポイントになります。
日本PCサービス(バリュー株)
■浮き沈みしているが、全体としての需要は拡大していく可能性大
もともとは自動車部品等の販売を目的に、2001年に設立された会社です。2003年に事業目的を「パソコンの修理、販売等」に変更し、その後は東芝、ヨドバシカメラ、積水ハウスなどと提携しながら事業を拡大。2014年には、名古屋証券取引所セントレックスに上場を果たしました。
BtoC、BtoBの双方を手がけ、個人向けには、「ドクター・ホームネット」「パソコンあんしん総合保証Revert」「中古・新古パソコン販売PASOLET」「パソコン遠隔コンシェルジュ」といったパソコン関連のサービスに加え、ホームクリーニングサービスである「おそうじ応援隊!」も展開。
法人向けには、パソコン等の設置、部品交換、データ復旧などを行なう「駆けつけサポート」の他、クラウドやセキュリティにも対応するなど、多岐にわたるサービスをラインナップしているようです。
コロナの影響でBtoB部門に関しては一時的な浮き沈みはあるかもしれませんが、ニューノーマル時代、デジタル化がさらに加速化するのは確実ですから、全体としての需要は拡大していく可能性が高いのではないでしょうか。
株価は2019年12月16日に1540円をつけ、翌年2020年3月23日には半値以下の650円に。そこから上昇し、6月25日は2150円を記録。その後、上下を繰り返し、2021年は1月4日の1480円からスタートしました(図表3)。
菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社 代表取締役社長
国際金融ストラテジスト
※掲載されている数字や情報は執筆当時(2021年2~3月)のものです。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※投資にあたっての判断はご自身でお願いいたします。本記事の情報を利用されたことによるいかなる損害も、出版社および著者、幻冬舎グループが責任を負うものではありません。