2020年コロナバブルを的中させた「経済の千里眼」は、アフターコロナ相場をどう読むか? これから追い風となるであろうデジタルや内需消費関連を中心に、グロース中の「グロース」、グロース中の「バリュー」の銘柄をピックアップして見ていきましょう。本稿に記載されている数字や情報は執筆当時(2021年2~3月)のものですが、プロ投資家の視点を通して見ることで、資産形成や経済見通しのヒントが得られるはず。※本連載は菅下清廣氏の著書『アフターコロナ相場で資産を増やしなさい 投資家が注目する88銘柄はこれだ』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。
不動産株、デジタル関連株…プロ投資家は「激動のコロナ相場」をこう読む (※写真はイメージです/PIXTA)

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AMBITION(バリュー株/内需・消費)

■プロ投資家は「一般人が喜んで売るタイミング」では売らない

コロナ禍によって大きな影響を受けた業界の1つである「不動産」関連株。AMBITIONも例外ではなく、2020年1月9日に1309円だった株価は、3月23日には402円まで下落(図表1)。その後、10月8日には1010円まで回復しています。402円と比較すると、2.5倍程度上昇したわけです。

 

株価:2021年10月22日15:00時点で625円(※執筆当時2021年3月では782円)
[図表1]AMBITION(マザーズ 3300)株価:2021年10月22日15:00時点で625円(※執筆当時2021年3月では782円)

 

この株価から何が学べるでしょうか。株価が回復基調にあるときに買って、1010円付近になったら喜んで売るのが一般的ですが、プロは売りません。さらに上昇するか、下落するかを見極めるためです。直前の安値を下回るようであれば、すぐに損切りしますが、1010円を上回るようなことがあれば、「成長の波動」だと判断して、株を持ち続けます。

 

実際にはケースバイケースで判断するため、一概には言えませんが、直近の安値を下回るのか、直近の高値を上回るのかといった観点でチャートを見ることは、相場観を磨くのに役立ちます。

■プロ投資家は絶対「ナンピン買い」しない

おすすめしないのは、買った株が下がったら、再度買い足してしまうことです。1000円で100株購入した株が、800円になったとして、再度100株買えば、1株あたりのコストは900円になるため、一見お得なように感じられます。

 

これは「ナンピン買い」と呼ばれる手法ですが、プロは絶対にやりません。「下手なナンピン、損の上塗り」という格言もあるほどで、1000円が800円に、800円が600円にというように、下がり続けるのが「投資の波動」だからです。

ラクスル(グロース株/デジタル)

■「事業モデル」が評価されて株価上昇

「デジタル化が進んでいない伝統的な産業にインターネットを持ち込み、産業構造を変え、世の中に大きなインパクトを与えていきたい」とホームページに記載されているとおり、デジタル関連ど真ん中の銘柄ではないでしょうか。

 

株価:2021年10月22日15:00時点で5,970円(※執筆当時2021年3月では4,995円)
[図表2]ラクスル(東証一部 4384)株価:2021年10月22日15:00時点で5,970円(※執筆当時2021年3月では4,995円)

 

2009年に設立されたラクスルは、当初は印刷通販の価格比較サービスからスタートしています。その後、2013年に、印刷のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」、2015年に物流のシェアリングプラットフォームの「ハコベル」、2020年に広告のプラットフォーム「ノバセル」というように、次々とサービスを開始。事業モデルが評価されたからか、何度も第三者割当増資を行ない、成長を続けています。

 

1つ懸念点があるとすれば、業績が伴っていない点でしょう。代表取締役社長CEOの松本恭攝氏自身がホームページにて、「フルスイングを続けてきた」と述べ、「プラットフォーム価値を最大化する成長投資」「価値を生み出す“人”への投資」を重視していると明言しているように、おそらくは投資が先行している状態にあるのだと思われます。

 

それでも、株価が下がらずに上昇しているということは、投資家たちが事業モデルを評価しているからにほかなりません。

 

2020年3月17日に1593円だった株価は、11月9日には5550円、年が明けた2021年3月時点では反落(図表2)。押し目が入っています。

ブロードバンドセキュリティ(バリュー株/デジタル)

■「セキュリティ関連株」は今後も期待できるテーマ

2020年3月13日には697円だった株価が、6月23日には3650円となり、数ヵ月で5倍以上に跳ね上がっています(図表3)。その後、再度上昇、10月21日に3485円をつけてからは年末に向けて下落し、年が明けた2021年執筆時点では2000円台となっています。

 

株価:2021年10月22日15:00時点で1,398円(※執筆当時2021年3月では2,213円)
[図表3]ブロードバンドセキュリティ(ジャスダック 4398) 株価:2021年10月22日15:00時点で1,398円(※執筆当時2021年3月では2,213円)

 

主な事業内容は、「セキュリティ監査・コンサルティングサービス」「脆弱性診断サービス」「情報漏洩IT対策サービス」。デジタル関連、なかでもセキュリティ関連の株は、今後も上昇が期待できるテーマだと私は考えています。2000年、NEC、現在のパナソニック等の出資で設立され、その後、合併、社名変更等を経て、2018年、ジャスダックに上場しています。

 

ユーザー事例として、セガサミーホールディングス、名古屋テレビ放送、ドワンゴ、南都銀行、労働金庫連合会などが紹介されていますが、おそらく業界を問わず、広く需要のあるサービスを展開しているのではないでしょうか。

■「クラウドセキュリティ設定診断サービス」でさらなる需要増加に期待

一番の値上がり要因は、コロナ禍を受け、多くの企業がテレワークを導入するなかで、さまざまなツールを使うことで生まれるリスクに着目し、「クラウドセキュリティ設定診断サービス」の提供を開始したことにあるようです。業績についても、売上高、営業利益、経常利益等、順調に推移しています。

 

そういった意味では、今後ますます需要が高まる可能性もあるため、執筆時点では安値圏にあるバリュー株と言えそうです。

 

 

菅下 清廣

スガシタパートナーズ株式会社 代表取締役社長

国際金融ストラテジスト

 

 

※掲載されている数字や情報は執筆当時(2021年2~3月)のものです。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

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