岸田内閣が誕生し、日経平均は一転、急落。多くの株式投資家が一喜一憂するなか、空売りで株価下落時に利益を得ようとする人たちも。彼らはどのような銘柄を選んで空売りをしているのでしょうか。一般的な指標に基づいたスクリーニングの具体例とともに、その際の注意点も見ていきましょう。
岸田内閣誕生による「日経平均急落」も喜び材料…「空売り銘柄」はどう選ぶべきか【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

良い空売り銘柄があっても注意するべき点

さて、空売りする銘柄のスクリーニング例をご紹介しましたが、しかしもちろんその銘柄が、「絶対に」値下がりするとは限りません。

 

また、もし下がるとしても、「いつ下がるか」はわからないのです。そして現物株を買って持っている場合と違い、空売りした株を返済していない間は、貸し株料、管理料、逆日歩といった余分な経費を支払う必要がありますし、その状態で権利付き最終日を越した場合は、配当落ち調整金という配当相当のお金も支払う必要があります。

 

さらに、株価は理論上、値下がり時は0になるだけですが、無限大に値上がりする可能性を秘めています。そして空売りした銘柄が値上がりした場合に投資家は損をしますので、「空売りの損失は無限大」ともいわれるのです。

 

以上のようなリスクやコストが、空売りには根本的に存在します。ですからスクリーニングによって空売りに適した銘柄が見つかった場合も、十分そこに注意をしましょう。そして、空売りする銘柄についてより深く検討したり、空売りする金額を検討したり、買い注文によってリスクヘッジをしたりして、決して身を滅ぼすことのない空売りを心がけてください。

まとめ:各種指標から「割高すぎる銘柄」をスクリーニングできたら、空売りのチャンス

株価の値下がりによって利益を得られる空売りでは、「今後値下がりする確率が高い銘柄」を選ぶの基本です。

 

そのための一例として、PER、PBR、自己資本比率といった指標から、「割高すぎる銘柄」をスクリーニングするという方法があります。

 

しかし空売りは、もともとリスクやコストの大きい取引ですので、十分それに注意して、空売りする銘柄についてより深く検討したり、空売りする金額を検討したり、買い注文によってリスクヘッジをしたりして、決して身を滅ぼすことのない空売りを心がけてください。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓