株の出来高は取引開始直後にもっとも多くなる傾向にあります。そのため、前場(9:00~11:30)のほうが値動きが大きく、儲けやすいなどといわれていますが、実際はどうなのでしょうか? 実際の株価変動データを確認するとともに、考えていきます。
「株で儲けるなら午前中が勝負」の真意【投資のプロが検証】 ※画像はイメージです/PIXTA

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「前場」と「後場」と「出来高」

まずは用語説明ですが、午前の取引のことを「前場(前場)」といい、午後の取引のことを「後場(ごば)」といいます。時間は、前場が9:00~11:30、後場が12:30~15:00となっています。

 

ちなみに、前場と後場それぞれ最初の売買を「寄付(よりつき)」、最後の売買を「引け(ひけ)」といいます。なお、後場の寄付に限り「後場寄り」、後場の引けに限り「大引け」と呼ぶのも一般的です。

 

そして、注文が成立した株の数量のことを「出来高」と呼びますが、この出来高は基本的に、取引開始直後がもっとも多くなります。前日の大引け後に、翌日の売買を決断した人が注文を出すことが多いためでしょう。

 

よって、上がるときも下がるときも、前場の方が値動きが大きいように思えますが、実際はどうなのでしょうか?

「前場」と「後場」の株価変動

そこで以下に、意図なく適当に選んだ10銘柄における、2021年8月10日の始値・高値・安値とその確定時刻を示してみます(ちなみに、すべてこの日の出来高が30万株以上の銘柄です。あまりにも出来高が少ない銘柄ですとこの考察の参考とするには不適格かもしれませんが、そういう銘柄ではないということをお断りしておきます)。

 

※以下数値は、始値(時刻)/高値(時刻)/安値(時刻)

■レーザーテック/

20,820(09:03)/21,600(14:42)/19,840(09:08)

 

■日本郵船

7,730(09:00)/7,950(09:24)/7,580(14:32)

 

■任天堂

51,700(09:00)/51,780(09:00)/50,590(09:03)

 

■ソフトバンクグループ

6,819(09:00)/6,909(09:16)/6,771(11:25)

 

■藤倉コンポジット

519(09:03)/606(14:12)/513(09:23)

 

■テイクアンドギヴ・ニーズ

897(09:07)/1,002(13:25)/893(09:07)

 

■ウィルグループ

1,041(09:12)/1,101(12:36)/1,026(09:12)

 

■りらいあコミュニケーションズ

1,257(09:12)/1,297(09:47)/1,208(13:23)

 

■日精エー・エス・ビー機械

4,640(09:09)/4,640(09:09)/4,340(14:13)

 

■日本プラスト

620(09:22)/646(09:57)/614(09:28)