(※写真はイメージです/PIXTA)

日ごろおいしく食べている食べ物が、ある日突然、病気の原因になる。これが食物アレルギーです。運動が引き金になる「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」、花粉症が原因の「口腔アレルギー症候群」など、ちょっと珍しい食物アレルギーの原因や対処法、気をつけたいポイントなどについて、高座渋谷つばさクリニックの武井智明先生が解説します。

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昼食後に激しい運動をしたら呼吸が苦しくなる?

読者の皆さんは、食物アレルギーと聞くと、子どもでは卵・牛乳・小麦を、次第に大きくなっていくと青魚・甲殻類(えび・かに)・軟体類(いか・たこ)、難治な例ではそばやピーナッツなどを思い浮かべると思います。

 

一般的には、原因となる食物を食べてから30分以内に全身の皮膚が紅潮してかゆみを伴う、呼吸困難や声がれ・意識低下などのアナフィラキシーショックという症状がでたりしますが、ここであげる2つのタイプはこうしたタイプとは異なる食物アレルギーです。

 

まず初めに「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」を取り上げます。

 

この疾患は、主に小学校高学年から中高生以降にみられる食物アレルギー症状の1つで、特定の食物を食べたのみでは発症をせず、ある程度の負荷がかかる運動をしたときに生じるものです。

 

具体的な例では、学校給食でカレーがでたときの昼休み時間、あるいは5時間目の体育の授業で、運動負荷の高いサッカー、バスケットボールなどの運動中に体調不良を訴えて、急激な全身の膨隆疹・蕁麻疹などが現れ、呼吸困難・せき込みが急激に悪化し、アナフィラキシーショックとなっていきます。

 

この疾患は5000~6000人に1人程度みられ、思春期以降の男児によく発症します。

 

原因食物としては小麦が最も多く、これに甲殻類(えび・かに)、果物が続きます。乳幼児期の小麦アレルギーとは病態は異なります。この疾患であると診断された場合には、運動前には原因となる食物を食べず、万一食べた場合には食後2時間程度の運動は控えてください。

 

同様な発作が旅行先や合宿などで生じるリスクがあるため、医療機関であらかじめ、エピネフリン自己注射薬(エピペン)の処方、抗ヒスタミン薬やステロイド内服薬などの予防を行っていくことが重要となります。

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『こどもKARADAs』から転載したものです。