(※写真はイメージです/PIXTA)

日ごろおいしく食べている食べ物が、ある日突然、病気の原因になる。これが食物アレルギーです。運動が引き金になる「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」、花粉症が原因の「口腔アレルギー症候群」など、ちょっと珍しい食物アレルギーの原因や対処法、気をつけたいポイントなどについて、高座渋谷つばさクリニックの武井智明先生が解説します。

若い女性に?唇や口のかゆみや腫れから呼吸困難まで

続いて「口腔アレルギー症候群」を取り上げます。

 

この疾患は、鮮度の高い生の果物や野菜、大豆(豆乳)などを食べたあとに、口の中のピリピリした違和感・かゆみから始まり、悪化した場合には呼吸困難となるタイプです。この疾患は、花粉症を合併する方で若年の女性によく発症するとされています。

 

その理由としては、花粉に対してのアレルギーをお持ちの方は、その花粉と成分・構造が似た食物を食べることによる交差反応といわれています。原因となる果物や野菜は加熱処理をすると症状はおきにくいとされますが、まったく起きないということではありません。

 

この疾患に対しての対応は、原因となる食べ物を極力食べない(あるいは加熱処理をしたものを食べる)、誤食時に備えてステロイド薬や抗ヒスタミン薬の内服薬を準備しておくこととなります。

 

口腔アレルギー症候群を生じる果物・野菜の例

 

・シラカンバ、ハンノキ

リンゴ、西洋梨、さくらんぼ、杏、アーモンド、じゃが芋、キウイ、マンゴー

 

・スギ

トマトなど

 

・オオアワガエリ

メロン、スイカ、トマト、キウイ、オレンジなど

 

・ヨモギ

セロリ、ニンジン、マンゴー

 

・ブタクサ

メロン、スイカ、きゅうり、ズッキーニ、バナナ等

ラテックスアレルギーがある人が注意すべき食べ物

一方で日常生活・医療機関でよく使われるラテックス(ゴム手袋やゴム風船に含まれる成分)のアレルギーがある人は、ラテックス・フルーツ症候群としてキウイ、バナナ、アボカド、マンゴー等に注意が必要となります。

 

こうしたアレルギーにおいても、食物アレルギーと同様に症状が急激に悪化して、呼吸困難・血圧低下・意識低下などのアナフィラキシーショックとなり救急搬送を必要とする場合もあります。食物アレルギーでアナフィラキシーを起こした人に対して、症状の重症化を早期に治療するエピペンという自己注射薬があります。

 

基本的には医療機関を直ちに受診、あるいは救急搬送を要する場合でも、エピペンの自己注射により症状を緩和し、重症化の速度を軽減するために実施されます。

 

こちらは、アレルギー科を標ぼうする医療機関で処方は可能です。エピペンの投与におり80%程度の患者さんで症状の改善が確認されています。

 

アナフィラキシーの既往のある人は、原因がわかっていない場合でも急速に症状が悪化することがあるため、疑わしければ躊躇なく使用してください。また、意識障害が起きる場合は、家族や同僚などにも事前に説明して、すぐに対応できるようにしておいたほうがよいでしょう。

 

 

武井 智昭

院長

高座渋谷つばさクリニック

 

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『こどもKARADAs』から転載したものです。