なかなか浮上の兆しが見えない日本経済。そのようななか、多くの人が将来の先行きを見通せなくなっていますが、なかでも「日本の50代は将来を悲観している割合が多い」という調査結果があります。なぜなのか、考えていきましょう。
もう明るい未来はない…将来を諦めた「日本の50代」が抱える悲壮感 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本の高齢者…仕方がなく仕事を続け、親を介護する

将来を悲観する50代。彼らの行く末は、諸先輩たちが教えてくれます。中高年者世代を10年以上も継続的調査している厚生労働省『第15回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)』によると、第1回調査時では50代だった対象者は60代前半から70代前半となっていますが、その54.0%が仕事を続けています。

 

──仕事は生きがいだから

──仕事が楽しいから

 

もちろん、そのような人もいるでしょう。しかし「この先も仕事を続けたいという理由」の51.2%は「生活費を稼ぐため」と回答。「生活に余裕があるなら仕事なんてしたくない」という思いが透けて見えます。

 

さらに対象者の7.4%は、「親(自分の父母/配偶者の父母)」を介護していると回答。自身の老後も心配ですが、その前に「親の介護」の問題に直面する人も多いのです。

 

自身の生活では、年金が頼りになっていきます。50代では子育てや住宅ローンの返済の目途がつき、老後に向けて貯蓄額が増加していくタイミングです。それが年金生活に入った途端、足りない分は貯蓄を取り崩して対応していくことになるでしょう。年を追うごとに心許なくなる蓄え。このような未来しか描けず、ただネガティブになるのも仕方がないことでしょう。

 

とはいえ人生はまだ長く、59歳であれば25.07歳、女性であれば30.38歳の平均余命があります(関連記事:『【2021年】平均余命早見表…あと何年生きられるのか?』)。あくまでも平均なのでそれ限りではありませんが、「この長い期間、悲観ばかりしていられない」と思ったら、色々とプラスに転じていくかもしれません。