デイトレードでの空売りが有利だと言われる理由
デイトレードとは、短期売買手法の1つで、1日のうちに買いと売りを終了させる手法です。
空売りとは、信用取引の一種である「信用売り」のことで、株を借りて売ることです。借りた株はいずれ返済する必要があるのですが、売った価格より安い価格で買い戻して返済をすれば、その差額が利益となります。
デイトレードでの空売りは、デイトレード以上の間隔で空売りを行う(スイングトレード、長期投資など)よりも、有利な点があると考えられます。
「空売りの損失は理論上無限大」と表現されることがあります。株価はどんなに下がってもゼロになるだけですが、上がる場合は理論上どこまでも上がります。空売り後、返済時までに株価が上がり続けた場合は、どんなにそれが高価になろうとも、やはりそれを買い戻して返済しなければなりません。これが空売りの怖さなのです。
ところがデイトレードでの空売りの場合は、1日で決済をします。そしてわずか1日であるならば、株価が上がる幅にも限度があります。長期で株を保持すればするほど、確率的にはその変動幅も大きくなります。
しかし1日ですと、それは小さいのです。したがって、デイトレードでの空売りには、そういったリスクを抑制できるという有利な点があるといえるのです。
また、現物取引と比べると空売りには、貸し株料、管理料、逆日歩などの余分な経費がかかり、それは基本的に、決済までの日数に比例して金額が大きくなります。しかしデイトレードでは1日で決済をするため、それらの費用も極力抑えることができます。証券会社のプランによっては、無料になる経費もあります。この点からも、デイトレードでの空売りには有利な点があるといえるのです。
それから、売買の選択肢が増えるという点も、デイトレードによる空売りの有利なところです。前述のとおり、株価の変動幅というのは確率的に、短期では小さく、長期では大きくなりがちです。したがってデイトレードの場合、1日の利益率もやはり小さくなりがちで、投資成績を上げるためには、利益を頻繁に積み重ねていく必要がでてきます。
ところが、市場全体が下げている時など、なかなか買いによる利益を出しにくい日もあると思います。しかしそんな日でも、株価が下がることで利益を得られる空売りという手法があれば、利益を出すための選択肢が増えます。したがって空売りをすることで、「利益を頻繁に積み重ねる必要がある」というデイトレードのデメリットを、補うことができるのです。