先輩の助言で株式投資をスタート…順調にいっていたが
仕事中にも関わらず、ついついスマートフォンを見てしまうという、30代会社員のAさん。何をチェックしているのかといえば、保有銘柄の株価だといいます。
株式投資を始めたきっかけは、会社の先輩からの「若いうちから資産形成を考えたほうがいい。自分たちが年をとったとき、年金が当てになるかどうか分からないのだから」と言われたから。それまで“株式投資”というと敷居の高いものという意識がありましたが、いざ始めてみると、スマートフォンだけで売買ができ、とても気軽なものだということを知ったといいます。
最初買ったのは、自身でもよく利用する飲食店を運営する会社の株式。株式優待にも魅力を感じて、40万円を投じました。その会社の株価は、上下を繰り返しながら上昇。一時は2倍以上の株価になったとか。
その後、Aさんは飲食サービスのほか、旅行、交通、ホテル、不動産など、自身が興味のある分野を中心に投資先を増やし、投資する銘柄は8社ほどになったといいます。コツコツとお金を貯めるよりも効率がいいと感じ、預貯金のほとんどを株式投資にまわしました。
こうしてAさんの投資金額は総額500万円ほどに。保有銘柄はどれも上昇基調にあったので、「とにかく上がるところまで保有していよう」と考えていたそうです。そんなAさんを襲ったのが、コロナ禍による株価下落。一時的とはいえ、損失は300万円ほどになりました。
そして、この損失を何とか取り戻そうと、コロナ禍の影響が大きかった銘柄はすべて売却したうえで、頻繁に売買を繰り返すようになりました。仕事の合間にスマホをチェックする日々。しかしいまのところ負け越しで、大きなマイナスを抱えたままだといいます。
なぜ、そこまでして損失を取り戻そうとするのか。それは株式に投じた預貯金は、お付き合いをしている彼女との結婚資金のために貯めたものだったから。このままでは、結婚などできないと焦っているのです。