業界内での信頼もとても厚く、「理想の上司ランキング」では5年連続1位に輝いている、内村光良さん。博報堂のクリエイティブディレクターである畑中翔太氏が、内村さんから学んだ「指導のポイント」を紹介します。 ※本記事は、『チームが自ずと動き出す 内村光良リーダー論』(朝日新聞出版)より一部を抜粋・編集したものです。
みんなの前で絶対にミスを指摘しない「内村光良」が、しかたなく注意するときに使う奥義 (※画像はイメージです/PIXTA)

「笑い」を使い、相手を追い詰めない指摘を

またせっかくなので、内村式コーチングの奥義笑いをまぶすについてもお伝えしたい。

 

舞台の稽古場など、みんなの前で「指摘」しなければいけない場面が内村にも時としてある。『ハンブン東京』などの舞台を内村と制作してきたアタリ・パフォーマンスの白石千江男プロデューサー曰く、そんなとき、内村は、「チームリーダーっぽい」芝居をするという。

 

「時々冗談で、みんなを引っ張っていくような人間の芝居をして、次に進めるようなことをやっていた記憶があります。コントのキャラクターになってみんなを引っ張っていく、部下を引っ張っていくような。怒るときも、キャラを演じながらやってるから、多分、俺に言っているんだろうなっていう人間も、笑いながら反省する。だから痛めつけられずに復元する

 

まさに、ショートコント「リーダー」の開幕である。つまり、どうしても公の場でチーム員を指摘しなければならないときには、内村は笑いを“緩衝材”として使い、指摘された相手を真剣に追い詰めないように気持ちの“逃げ道”を残すのだ。

 

たとえば内村は、『男はつらいよ』の寅さんや『3年B組金八先生』の武田鉄矢氏のモノマネを得意としており、そのような口調でなされる内村の指摘が軋轢(あつれき)を生みにくいことは、想像に容易い。

 

内村にとっては容易くとも、我々一般人にとってこの技術の習得は難しいと身構えてしまっているかもしれない。だが外資系企業で働く知人の話では、アメリカでは「ユーモア」は「余裕」を意味するそうだ。リーダーたちはスピーチにユーモアを巧みに取り入れるよう努力を重ねるという。

 

私たち日本のリーダーもぜひ、部下や後輩たちへの指摘や指導を「ユーモア」を持って包み伝えていく技術を、積極的に習得していきたい。

 

 

畑中 翔太

博報堂ケトルクリエイティブディレクター/プロデューサー

 

なぜ内村光良氏が5年連続「理想の上司」1位なのか
世間が求めるリーダーの極意を紹介する