ジェンダーギャップ「世界120位の日本」…実際に感じている男女格差は?
世界で120位……確かに衝撃的な順位であり、今後の政策等を進めるにあたり参考にすべきところは多いでしょう。しかし順位だけが一人歩きしている感も否めず、「ジェンダーギャップ指数が世界に比べて低い=日本の女性は不幸だ」と、行き過ぎた論調まで見られます。
実際、男女格差をテーマにした意識調査では、欧米各国でも「男性のほうが優遇されている」という意見が目立ち、大差はない、という意見もあります。では実際に日本では男女格差についてどのように考えられているのでしょうか。内閣府による『男女共同参画社会に関する世論調査』を見ていきましょう。
さまざまな分野で性差による平等感・不平等感をたずねていますが、「学校教育の場」では平等が6割強と高くなっていますが、「政治」や「社会通念・慣習・しきたり」などでは1~2割と低くなっています。
■家庭生活について
「男性の方が優遇されている」44.9%
「平等」45.5%
「女性の方が優遇されている」 7.2%
■職場について
「男性の方が優遇されている」53.5%
「平等」30.7%
「女性の方が優遇されている」 5.0%
■学校教育の場について
「男性の方が優遇されている」18.5%
「平等」61.2%
「女性の方が優遇されている」 2.6%
■政治の場について
「男性の方が優遇されている」79.0%
「平等」14.4%
「女性の方が優遇されている」 2.6%
■法律や制度の上で
「男性の方が優遇されている」 46.9%
「平等」39.7%
「女性の方が優遇されている」4.4%
■社会通念・慣習・しきたりなどについて
「男性の方が優遇されている」 70.1%
「平等」22.6%
「女性の方が優遇されている」2.3%
出所:内閣府『令和元年度 男女共同参画社会に関する世論調査』
また男女平等の考え方も人それぞれということが分かる設問も。
この質問に関して、賛成(「賛成」「どちらかといえば賛成」)が35.0%。男女で見てみると、「男性>女性」ではありますが、女性の賛成も31.1%にもなります。また女性でも高齢層のほうが賛成が多くなる傾向にあるものの、「18~29歳」の若い女性でも賛成は31.2%に達します。
男女平等の考え方は人それぞれ。他国を真似て数値上のジェンダーギャップは解消されても、意識上のジェンダーギャップは解消されない場合も十分考えられます。世界的な数値を重視することも重要ではありますが、より多くの人が「平等」と感じられる日本を考えていきたいものです。