人生100年時代、「お金」で「お金」を増やす方法を学び、自分の身を守ることが必須となります。投資を続けているなかで時には「負ける」こともありますが、その際、損失を最小限に食い止められるよう「上手なロスカット」のコツを知っておきましょう。※本連載は、投資の学校代表である高橋慶行氏の著書『12万人が学んだ 投資1年目の教科書』を一部を抜粋・再編集したものです。
結局大損…株を「塩漬け」にする投資家が絶対に儲からないワケ (※画像はイメージです/PIXTA)

欲や感情をコントロールして、勝てる投資家へ

自分がいいと思っている銘柄があって、その銘柄について今後上がるかどうか、ある投資スクールの講師に意見を求めた投資家がいました。講師は、「その銘柄は上がるでしょう」と答えました。

 

自分も上がると思っていた上に、プロである講師までが上がると答えたということで、その投資家は「確実にその銘柄は上がる」と確信しました。

 

しかしその後、日本株全体が、予想に反して下がり始めてしまいました。

 

質問した投資家は資金管理やリスク管理について勉強をしており、大損をすることこそ投資において最も避けなければならないことだとわかっていました。

 

しかし講師が上がると言ってくれたことで、それまでの損を一気に取り返したい欲が生じてしまい、自己ルールを破って損切りをせずに持ち続け、結果として投資家人生で最大の損失を被ってしまったのでした。

 

投資をする上で安定して利益を上げられる「勝ち組投資家」になるには、自分の欲や感情、メンタルの弱さとしっかり向き合い、それらに負けないように自己をしっかりコントロールしなければなりません。

 

何度も言ってきたように、未来永劫(えいごう)にわたって百戦百勝し続けられる投資法は存在しません。

 

市場を動かすような大きな資金を持った機関投資家は、大きなコストを払って一般の投資家が分析できないレベルで相場を分析し、その結果に基づいて投資をしています。常に新しい方法を試してくるということであり、これは相場における不確定要素となります。

 

したがって過去に利益が上がっていた方法が、確実に利益が上がる方法かはわかりません。機関投資家の分析も必ずしも100%当たるわけではありません。したがってすべての投資家は必ず勝ったり負けたりを繰り返すことになります。誰もが必ず損を経験するということであり、これはかなり重要なポイントなのです。