人生100年時代、「お金」で「お金」を増やす方法を学び、自分の身を守ることが必須となります。本記事では、投資の世界における「リスク」の捉え方を見ていきます。※本連載は、投資の学校代表である高橋慶行氏の著書『12万人が学んだ 投資1年目の教科書』を一部を抜粋・再編集したものです。
投資初心者が陥りがちな「リスク=危ないもの」という勘違い (※画像はイメージです/PIXTA)

「リスクがあるからやめておこう」は間違い

「リスクがあるからやめておこう」

 

社会人であれば、必ず一度は聞いたことがあるフレーズです。リスクという言葉は、ふだんの会話では「危ないもの」とか「避けるべきもの」だという意味合いで使います。

 

「ノーリスク」といえば、「危なくないもの」とか「安全なもの」という印象を持ってしまっている人が多いのです。しかし投資家として自立していきたいのであれば、この考えは改めるべきです。

 

投資の世界でも、「元本保証」という条件で金融商品を販売している業者がいます。しかしインターネット上には「元本保証」「返金保証」といった日本人が魅了されやすいフレーズを巧みに扱い、セールスに持ち込む詐欺まがいの会社もあるので注意しなければいけません。

 

[図表1]リスクの種類
[図表1]リスクの種類

 

ここで断言しますが、投資のプロの世界では、「リスク」という言葉を「危ないもの」とか「避けるべきもの」という意味では使いません。私たちは、リスクとは「変動率」のことを指して、そう言います。要するに「ブレ幅」のことです。

 

ハイリスク、ローリスクと言いますが、ブレ幅が大きいのがハイリスク、小さいのがローリスクです。ハイリスク・ハイリターンならば、ブレ幅が大きい分だけ大きなリターンがあり得る、ローリスク・ローリターンならブレ幅が小さい分だけリターンも小さくなるという意味です。

 

問題の「ノーリスク」は「ブレ幅ゼロ」のことです。リターンは、ブレ幅から生まれるものですから、ノーリスクでリターンが得られることはあり得ません。

 

投資の世界ではノーリスクは、ノーリターン、すなわち「儲からない」という意味です。

 

ですから「元本保証で資産が倍増する」という宣伝文句には、何か裏があるのではないかと疑うべきなのです。

 

けっして、ノーリスク=安全という意味ではありません。注意しましょう。