人生100年時代、「お金」で「お金」を増やす方法を学び、自分の身を守ることが必須となります。投資を続けているなかで時には「負ける」こともありますが、その際、損失を最小限に食い止められるよう「上手なロスカット」のコツを知っておきましょう。※本連載は、投資の学校代表である高橋慶行氏の著書『12万人が学んだ 投資1年目の教科書』を一部を抜粋・再編集したものです。
結局大損…株を「塩漬け」にする投資家が絶対に儲からないワケ (※画像はイメージです/PIXTA)

「塩漬け銘柄」を持ち続ける投資家に起こった悲劇

塩漬け銘柄を持っている株式投資家の最大の失敗は、その分の投資用資金を使えない状態にしてしまっていることです。

 

たとえば、A社、B社、C社の3社の株を買い、A社とB社では利益が、C社では損失が出ているとします。

 

このような場合に、多くの日本人投資家は利益が出ているA社とB社の株を売却して利益を確定させ、損失が出ているC社の株を塩漬けにしがちです。持ち続けていればいつか含み損が解消されると期待するからです。

 

この投資家はC社株を持ち続けながら、新たにD社、E社、F社の株を買いました。今度はD社では利益が出て、E社、F社では損失が出てしまいました。

 

塩漬け銘柄を持つ習性があるこの投資家は、今度はD社の株を売って利益を確定し、E社とF社の株を塩漬けします。よって手元には、含み損が出ているC社、E社、F社の3社の株が残ることになります。

 

この投資家は最初は3社の株を買えるだけの投資用資金を用意していたのですが、今となっては、塩漬け銘柄を3社分持っている状態になり、その分投資用資金が少なくなり、成長性がある会社の株を買うための十分な投資用資金がなくなってしまいました。これは投資家として失敗です。

 

安定して利益を出していくためには、常に優位性がある局面に資金を投じ続けなければなりません。株も為替もそうですが上がるときもあれば下がるときもあります。買い注文をするのであれば上がる方向に優位性があるときにポジションを持ち、流れが変わって下がる方向に優位性が出たときにはポジションを手放さなければなりません。

 

優位性がある局面で注文をするように心がけても、10回中9回が思惑どおりに進むこともあれば、10回中5回が思惑どおりに進まないこともあります。

 

思惑どおりに進まなければ含み損が発生しますが、思惑と違うことがわかった瞬間にロスカットをすれば次の取引に新たな気持ちで臨むことができます。

 

1回1回の取引ではこのように勝ったり負けたりしますが、利益が出たときには大きくその利益を伸ばし、損失が出たときには最小限に食い止めることで、トータル勝負では大きな利益が得られるようになるのです。その過程で大損や塩漬けがあると、投資用資金が十分でなくなり、なかなか負けを取り戻せません。

 

その結果トータル勝負で勝つことができなくなってしまいます。

 

決めたルールに従って、機械的に(感情を持たずに)ロスカットするよう心がけましょう。

 

 

高橋 慶行

株式会社ファイナンシャルインテリジェンス
投資の学校プレミアム

代表

 

「投資の学校」代表が執筆!
初心者が「投資で勝つ」ための教科書