これまで52の新規事業を立ち上げてきた「起業のプロ」守屋実氏が、なかなか人に会えないウィズ・コロナ時代に、リモートでも相手の印象に残るような自己PRの手法を紹介します。※本連載は守屋実氏の著書『起業は意志が10割』から一部を抜粋・再編集したものです。
リモートでも印象に残る!ウィズ・コロナ時代の自己PRテクニック (※画像はイメージです/PIXTA)

無駄な経験なんてない…量稽古が「プロ」への近道

では、自分の個性や特徴とは何か?

 

他の人に魅力的に見えるプロフィールとはどんなものか?

 

そうしたことは案外自分では見つけづらい。「他の人にはない自分の魅力なんてあるのか」「本当の自分とは?」などと考えて、手が止まってしまう人もいるだろう。その気持ちもわからなくもないが、悶々としている時間があるならば前に進んだほうがいい。

 

自分で見出せなければ、周囲の人に「僕の特徴は何だと思う?」と尋ねてみればいい。

 

たくさんの人に聞いて回ると、自分の見え方がいかに人それぞれ違うのかがわかってくる。そのうちに2人、3人と同じことをいう人が現れてくる。意見が重なったものを掘り下げてみると、自分の個性や特徴が見えてくる。

 

中には、自分では受け入れがたいものや意外すぎるものも出てくるかもしれない。しかし、そこにヒントがあることは間違いない。

 

たとえば、今会社員で起業を考えている人は、「もともと会社員だった」ということが個性になるかもしれない。

 

僕の話でいうと、大企業の新規事業に参画させてもらう際に、稟議書をどのように書いたらよいかなど大企業の理屈がわかるということが、共通の体験保有として、一緒にやっていく際の武器になっている。

 

自分では見つけられない意外なところが自分の強みとなる。

 

ちなみに、当たり前だが、見つけた自分の強みは、見つけた段階では、その「魅せ方」を含めて原石だ。だからその原石を磨き込み、「魅力」を磨いていく必要がある。磨いていく中で、「第一想起」される人物になる。

 

そしてそのために必要なことが、量稽古だ。僕はひたすらに量稽古したことで「起業のプロ」になることができた。量稽古とは、同じことを繰り返し、経験値を重ねていくことを意味する。

 

閾値を超えた量稽古をすると初めてプロになれる。僕はたまたま「起業のプロ」となったが、読者の方の中にはさまざまなプロになりたい方がいると思う。「分析のプロ」かもしれないし、「編集のプロ」かもしれないし、「育成のプロ」かもしれない。

 

量稽古を重ねて「仕事のプロ」になると、景色が変わる。その景色を僕は多くの方に見てもらいたい。

 

最近では、効率的にビジネスを成功させたい人も多い。しかし僕は、学びとは複利だと思っている。学びは1+1=2という単純な計算で蓄積していくものではなく、どんどん雪だるま式に増えていくものだ。

 

「こんなことをして、どんな意味があるんですか」とか「いつ結果が出ますか」などと思うこともあるかもしれないが、量稽古とはそう単純で簡単なものではない。いえることがあるとすれば、後になればなるほど、複利の恩恵が大きくなるということだ。

 

短気や横着による中途半端な食い散らかしは、それこそ最大の非効率だ。スポーツをしていた人ならば、「基礎体力」という言い方をするとイメージがしやすいかもしれない。

 

野球で「ホームランを打ちたい」と思った時に、ホームランを打つ練習だけをしていても打つことはできないだろう。走り込んで筋力をつけ、来る日も来る日も素振りをして、そういった鍛錬の先でホームランが生まれる。

 

量稽古して身につけてほしいものは、基礎体力ともうひとつある。それは、「型」を習得することだ。

 

スポーツではフォームが大事になる。いくら筋力がついたとしても、正しいフォームを習得していなければパフォーマンスを発揮することができない。

 

僕も起業を何十回も経験し、「起業の型」を作ることができた。「型」ができるメリットは、再現性が高まるということだ。特に、「判断」の分野においては、確度高くジャッジができるようになった。目の前で起きる新たな問題や課題に、何となくの既視感が生まれ、落ち着いて決断をくだせるのだ。

 

量稽古というと、不効率に見えることをさせられているように感じる人もいるかもしれない。しかし、急がば回れで、「量」を重ねてあなただけの「型」を作ることが最終的には最大の効率化といえるのだ。

 

人よりも早くたくさんの量稽古をするためにも、躊躇をしている時間はない。あなたらしい成功に向けてスタートを切ってほしい。

 

■ポイント■
「○○のプロ」となり、一行で伝えられるあなたのキャッチコピーを考える。

 

 

守屋 実

株式会社守屋実事務所

代表