ウィズ・コロナ時代…ビジネスマンの繋がりのつくり方
ここでは、あなたがこれから積み上げる経験の蓄積を、最大限活かし、最大限魅せるための工夫について、お伝えできればと思う。
事業は、最初は1人で始めたとしても、拡大していく中で必ず賛同する仲間が必要になる。他者と協働することで、一人ですべてを担うことから解放され、新たな発想が加わり事業が多彩になる。このことは、何も起業に限った話ではない。
自分自身の腕をひたすら磨くというシーンにおいても、切磋琢磨する仲間の存在は大きく、お互いを補完し合う仲間がいれば百人力だ。
ビフォー・コロナの時代であれば、実際に会って酒席をともにしたりして、「こんな仕事をしている人なんだな」と覚えてもらうことから、他者との交流を始められた。また、名刺交換会や異業種交流会に行って、名刺を集めて接点を作るということもできただろう。
しかし、ウィズ・コロナの今の時代はそれらのことができにくい。
名刺交換の際にいろいろ説明できた「自分とは何か」という話を、リモートでも覚えてもらえれるようなキャッチーなものにしなければいけない。
「私の特徴はこれです」「私はこうなりたいから、こんな人を紹介してください」と端的にいえる人でないと、人とのつながりを構築していくことができない。
子どもでもわかるくらい、簡単でキャッチーなプレゼン
だから、「可視化」が必要になる。
たとえば、「自分自身をプレゼンするためのマテリアル」を作るということだ。
これは、その名の通り、自分をキャッチーに説明できる案内ツールのことである。僕も「起業52」という「セルフプレゼンテーションマテリアル」[図表1]を作っている。僕は「起業のプロ」なので、その特徴がきちんと伝わるように配慮して作成している。
子どもでもわかるくらいに、簡単でキャッチーに示したほうがいいと思い、僕なりに考えて行きついたのが、以下のこの数式だ。
〈52=17+21+14〉
改めて解説すると「52」は僕の年齢。キャッチコピー的でわかりやすいので、年齢に合わせた数式としている。
「17」は、企業の中で何らかの事業を立ち上げた数だ。企業内起業で、事業開発部門で立ち上げた新規事業やそれに類するプロジェクトの数。
「21」は、独立起業の数。自分が代表として立ち上げたものもあるが、複数を同時に立ち上げていくスタイルをとっている今は、基本、代表の立場はとっていない。独立起業して頑張ろうとしている人、頑張っている人に参画させてもらっている数、である。
「14」は、週末起業。企業内起業や独立起業よりもカジュアルな企画の数で、お酒を飲んでいたら盛り上がってお店をやることになったとか、みんなから寄付を集めてフィリピンに小学校を寄付したとか、そうしたちょっとした企ての数である。
大事なことは、自分のコンセプトを「バンっ!」とわかりやすく見せることだと思っている。僕の場合は、この数式を見せると、「ん?」「何だこれ?」と興味を持ってもらえる。僕は「やたらと起業をしている人」というキャラクターが頭に残ってもらえばそれで成功なので、その意味において、この数式は的確なのではないかと思っている。
ちなみに、コンセプトを明確にするということは、それに沿わないものを諦めるということでもある。たとえば、僕は年間5〜6社ほどのスタートアップに投資をしているが、これを数式に入れてしまうとよくわからないことになってしまう。
だから数には入れていない。「起業のプロ」というプロフィールをぼかす情報はあえて削ったほうがいいだろうという判断だ。
「仕事のプロ」として、簡潔能動型コミュニケーションに適した自己紹介へと研ぎ澄ませていくのだ。