灘中合格者数16年連続1位を誇る浜学園の橋本憲一塾長は、保護者が「この子、中学受験大丈夫かしら」と不安に思う子どもは、大きく5つの性格に分かることができ、それぞれに合った勉強法で大きく成績を伸ばすことができるといいます。※本連載は橋本憲一氏の著書『灘中に合格する子は学力のほかに何を持っているのか: ワンランク上の志望校に受かるための能力と習慣』(ポプラ社)より、一部を抜粋・再編集したものです。
「灘中に合格する子の性格は、どんなタイプ?」名門塾長が本音回答

タイプ別「勉強における欠点を克服する方法」

ただ、性格が生みだす勉強における欠点を克服する方法については、受験学年の小6生はもちろんのこと小5生以下の生徒についても、くれぐれもまわりが焦りすぎないことを前提に、次のようにアドバイスをします。

 

「自信家」タイプは、自分を疑うことが少ないので、家庭学習でもミスに注意する対策を少しずつ取り入れるようにと。

 

「引っ込み思案」タイプは、難問を見ると手が止まってしまうところがあるので、間違ってもよいので自信がなくても解き方や記述をなるべく書くようにと。

 

「気分屋」タイプは、勉強が長時間になると集中力が続かないこともあるので、勉強時間を5分ずつでも徐々に延ばすようにして、テストの制限時間をすべて集中して使えるようにと。

 

「マイペース」タイプは、難問を考えすぎてペースを崩したりするので、問題選択や時間配分を勉強のなかにうまく取り入れて、テスト中もマイペースを保てるようにと。

 

「打たれ弱い」タイプは、テスト中に焦ってしまい自分の実力がまったく出せなくなったときのために、自分の部屋によい成績表や答案を貼って、焦ったときにはそれを見て、自信を取り戻す練習をするようにと。

子どもの可能性を無限大に伸ばす、親のアドバイス

このようなアドバイスがうまくいけば、「自信家」「引っ込み思案」「気分屋」「マイペース」「打たれ弱い」タイプの受験生は、自分の性格による勉強のよい部分を大いに伸ばして、それにより自信を持つことができます。

 

そして、おのおの性格のよい部分を自分のなかに強くイメージすることができれば、自分の性格が生みだす勉強における欠点も少しずつ克服して、最強の受験生へと成長していきます。

 

私がこれまでに出会った灘中に合格した子どもたちを振り返ると、例えばテストのときだけはちょっと内弁慶な「引っ込み思案」タイプの子どもがいました。

 

それでも彼は、謙虚にコツコツ積み上げる勉強に自信を持ち、徐々に間違いを恐れずに問題を解く訓練をすることによって、「自信家」や「気分屋」のいい部分を自分のなかに取り込むことで強くなっていきました。

 

また逆に「自信家」タイプが徹底的に実践練習に取り組むことによって発想力を大いにつけたり、「気分屋」タイプが短時間の集中した勉強を繰り返すことによって頭の回転よさが研ぎ澄まされ、徐々に集中力が持続するようになったりと、こうした受験生も灘中に合格して、浜学園からたくさん卒業していきました。

 

ほかにも、課題量が多くなるとペースを崩して自信を失っていた「マイペース」タイプが自分の真面目さに自信を持ち、少しずつ課題量の多さにも慣れていき、灘中合格をつかんだケースもあります。

 

さらに、実力テストで頭が真っ白になったとよくしょげていた「打たれ弱い」タイプが自分の実力に自信を持つことで精神的に強くなり、その勢いが、問題選択や時間配分を要領よくできるようにさせ、テスト中に自分で気持ちを立て直せるようになって灘中に合格した先輩もたくさんいました。それぞれの性格には、あり余る長所があります。

 

それぞれが5つの性格のよい部分を強く意識して自分の短所を補完できるようになれば怖いものはありません。

 

わが子のベースとなる性格がどのようなタイプであれ、子どもへのアドバイスの方法をうまくすれば可能性は無限大に広がるのです。

 

橋本 憲一

浜学園

学園長

 

灘中合格者を多数輩出!名門塾の学園長が中学受験ノウハウを語る
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