中学受験を控える家庭にとって、12月は落ち着かない時期です。番狂わせが多いと言われる中学受験において、合格率をアップさせるための「12月の過ごし方」について、灘中合格者数16年連続1位を誇る浜学園の橋本憲一塾長が解説します。※本連載は橋本憲一氏の著書『灘中に合格する子は学力のほかに何を持っているのか: ワンランク上の志望校に受かるための能力と習慣』(ポプラ社)より、一部を抜粋・再編集したものです。
中学受験生、本番まであとわずか…合格率をアップさせる「12月の過ごし方」【名門塾塾長が解説】

受験生の「12月」の過ごし方1.とにかく机にむかう

12月に入ると、子どもたちの緊張も日に日に高まってきます。小6生の12月の過ごし方として、私は子どもたちにみっつのことを指導しています。

 

ひとつ目は、12月に入ったらとにかく机に向かい、生まれてからの12年間で「こんなに自分はノートを使ったことがない」「こんなに鉛筆で書いたことがない」というぐらい、すべてをノートにできる限り正確に書くということです。

 

これを子どもには入試前の受験勉強姿勢として徹底指導しています。

 

本を見ながら何かを暗記するときも、算数の問題を解くときも、すべてノートに書きだします。なぜなら、子どもが手を動かすことなく、頭の中だけでザーッと流し勉強をしてしまったら、結局テストのときにもその習慣性が出てしまいます。

 

子どもたちはこれまで、机に向かって、ノートに書いて考える勉強習慣を培ってきています。その習慣を最後まで崩さないようにするために、「きちんとノートに正確に書く」ことをしてほしいのです。

 

例えばこの時期に、問題を10問解いたとして、うち1〜2問のミスは出るかもしれません。そこは放っておかずに丸つけの前に必ず見直し・検算をし、全部正解だと確認してから丸つけをします。

 

普段はきちんとできているのにミスをした問題があれば、ミスのポイントを書きしっかり反省します。

受験生の「12月」の過ごし方2.弱点のあぶりだし

ふたつ目は、弱点のあぶりだしです。

 

そのひとつの方法として、入試前の子どもがまだ至らないところや弱い部分を、あえて講師や親が指摘していくことで、本人に学力を補強させます。

 

つまり「弱点補強を意識させる」ということです。

 

過去の模試などで間違ったところは、テキストの目次に「正」の字で数えていき、回数の多い単元を弱点であるとより深く認識させるのです。そして冬休みに1単元30分から1時間の時間をとって、その単元で「自分で理解した問題」をつくることで、弱点補強をするのです。