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親は子どもに「無関心すぎず熱心すぎず」
ご両親は、子どもの変化を敏感にキャッチすることと、家庭学習時の見守りも、その成長に合わせて徐々に手を離していくことが必要ですが、わが子がいくつになっても、どんなにしっかりしても心配でならないというのもまた親心だと思います。
中学受験時の親子関係というのはなかなか複雑で、時期によってさまざまな問題や悩みも生まれます。なかには、すごくポテンシャルの高い子どもだったにもかかわらず、親がその芽を潰してしまったというケースもあります。
これは珍しいことではなく、私の38年間の浜学園生活で、もう数えきれないほど経験しています。
子どものポテンシャルを潰してしまう親の例
子どもが高いポテンシャルを持っているのに、それを潰してしまう親には、ふたつのタイプがあります。ひとつは、子どもにまったく無関心な親。もうひとつは、子どものことに過剰に熱心な親です。
まったく無関心な親というのは言葉の通り、わが子に対するサポート意識が全然感じられないタイプです。
「中学受験はすべて塾任せ」という感覚かもしれませんが、相手は大人ではなくまだ小学生の子どもですから、家庭のフォローアップ体制が不足すると、どうしてもモチベーションを長期間キープすることが難しくなります。
そうかといって、お母さんに子どもが取り組んでいる勉強を見てほしいわけではありません。勉強と孤独に戦っている子どもに定期的に本人のモチベーションが上がるように声かけをしてもらいたいのです。子どもは勉強において「親が味方である」と察知すると、ほとんどの場合が成績向上につながります。
次に、過剰に熱心な親というのは、例えば子ども以上に一生懸命になってノートをつくってしまうようなタイプです。
浜学園でいうなら「難問集」や「ミスパターンノート」「弱点対策ノート」など、子どもが学習で使うノートをつくり込むのはもちろんのこと、塾が行う説明会などでも毎回最前列に並び、持参したパソコンなどで私たちの説明をどんどん打ち込んでいきます。その様子はまるで記者のようです。
わが子のために時間を惜しまない努力と中学受験に対する熱心さには感服しますが、同じ説明会に参加してもほかの大勢の保護者がとるのはせいぜいメモ程度ですし、子どもにとってもそれくらいの情報量で十分だと思うのです。
このタイプの保護者で危惧するのは、「こんなに私がやっているのに」という思いです。親からそれをぶつけられた子どもはもう行き場がありません。
誰のためにやっているのか? 本当に子どものためなのか? それは子どもにとって最善なのか?
ご両親にはときどき、わが身を振り返ってほしいのです。全力で頑張っているわが子を、決して見失わないようにしてあげてください。
親が勉強において子どもに「無関心すぎず熱心すぎず」うまく声かけすることができれば、子どもの「学びの器」づくりがスタートしていくのは間違いありません。