灘中合格者数16年連続1位を誇る浜学園の橋本憲一塾長は、保護者が「この子、中学受験大丈夫かしら」と不安に思う子どもは、大きく5つの性格に分かることができ、それぞれに合った勉強法で大きく成績を伸ばすことができるといいます。※本連載は橋本憲一氏の著書『灘中に合格する子は学力のほかに何を持っているのか: ワンランク上の志望校に受かるための能力と習慣』(ポプラ社)より、一部を抜粋・再編集したものです。
「灘中に合格する子の性格は、どんなタイプ?」名門塾長が本音回答

保護者からの相談…子どもに多い「5つの性格」とは

浜学園では年間にさまざまな保護者向け説明会や講演会を行っていますが、そのなかのひとつに「子どもの性格」をテーマにしたものがあります。

 

私がこれまで保護者から相談を受けた、性格が影響した勉強方法の悩みを集計すると、その性格として多いのが「自信家」「引っ込み思案」「気分屋」「マイペース」「打たれ弱い」という5つのタイプで、それぞれの長所と短所、個性に合った勉強方法についてアドバイスする場となっています。

 

説明会などのあとに、たびたび質問を受けることがあります。よくあるのが「灘中に合格する子どもの性格は、どのようなタイプが多いですか?」という内容です。

 

先に結論を言ってしまうと、前述の5つのタイプは受験勉強にとってよい部分が多分にあります。「周囲のサポートの仕方によっては5つのタイプ以外も含めて、性格にかかわらずお子様を灘中合格に結びつけることはできます」といつも答えています。

 

それぞれの性格に魅力があり、勉強に対するよい部分を大いに伸ばすことに目を向けること、そして、性格による勉強の欠点については時間をかけて少しでもよくすることを目標にアドバイスをします。

タイプ別「よい部分の伸ばし方」

特に小1生〜小5生の受験学年でない場合は、よい部分を伸ばすアドバイスを強調します。具体的には、次のようなものです。

 

「自信家」タイプは、自分でどんどん勉強を先行していくことができる場合が多いので、難問に取り組む機会を家庭学習のなかに多く取り入れ、実践的な練習の割合を増やして思考力を鍛えることに力を入れるとよいと。

 

「引っ込み思案」タイプは、慎重に取り組む勉強姿勢がある分、つけた力については自信を持つとその実力を発揮する確率は非常に高くなるので、復習テストの勉強をしっかり繰り返していくと、確実な学力がついてくるようになりよいと。

 

「気分屋」タイプは、集中して勉強した時間は効率のよい勉強ができる場合が多いので、時間を短く区切って家庭学習に取り組むように工夫し、そうした集中力の高い勉強の積み重ねで学力をつけていくとよいと。

 

「マイペース」タイプは、真面目にやるべき課題をきっちりこなすことができるので、常に課題を少しだけ多めにしておくと、だんだん慣れてきて課題をこなす量も増えて勉強方法も成長していくと。

 

「打たれ弱い」タイプは、逆に言うと、自分が自信を失い大変焦るような状態にならない限り、安定した勉強を続けることができるので、あまり無理をせずに打たれる前に気持ちの切り替えをしながら勉強をするとよいと。