優良な株を少しでも安く買うことが株式投資の基本。しかし、その株式が本当に割安なのか、買った後に株価が上がる見込みがあるのか、初心者には判断が難しいでしょう。そこで株価の割安度の判断基準と、購入後に株価が上がりやすい銘柄の見つけ方を解説していきます。
本当にその株は買い時なのか?上昇が期待できる「割安株」の見つけ方 ※画像はイメージです/PIXTA

・PBR(株価純資産倍率)

PBRは、株価が一株当たり純資産の何倍まで買われているかを見る指標です。企業の持つ純資産を尺度としているので、PBRが1未満になると、その会社が保有しているために、その資産(土地や設備など)の価値が、下がってしまうということになります。大きな枠でいえば、その会社の株式を買い占めると、その価格よりも高い資産を手に入れられることになります。そのため、企業の解散価値を表す指標として語られることも多いです。

 

純資産は、毎年の純利益のうち、内部留保したものが積みあがった結果です。そのため、業績が悪化して純利益が減っても純資産は積み上がります。よって、株価が一定でもPBRは下がっていくのです。この点を踏まえて、株式購入の際は1年以上の保有による、キャピタルゲインやインカムゲインを見込むときの判断基準にするとよいでしょう。

 

・ROE(自己資本利益率)

ROEは、純資産(自己資本)に対してどれだけの純利益を生み出したかを測る指標です。計算方法は、当期純利益を自己資本で割り、パーセンテージで表示します。日本では、ROEが9%以上なら優良企業とみなされることが多いです。

 

この指標の特徴は、算出に株価が関わっていないということです。そのため、純粋に投入した自己資本から生み出した純利益を評価できるので、その企業の稼ぐ力を評価できます。さらに、自己資本は毎年の利益の積み上げで増加します。もし、毎年の利益が一定で自己資本だけが増加するとROEは低下します。投資額に対して利益が小さくなっていくことを表すので、その会社の事業が利益を生み出しにくくなっているといえます。ROEの低下を避けるため、利益の使い方を工夫し、配当を増やしたり、自社株買いをすることもあります。この場合、株主に利益が還元されるので、投資価値が上がっていることになります。

 

株式購入の判断に使う場合、過去5年分のROEを確認し、安定しているようなら株価が下げたところで買えば、比較的短期で上昇を期待できるでしょう。