「株価の安い!買い時だ!」…その判断は誤っていないか?
割安な株を探すとき、どうやって割安度を測るでしょうか? ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を使う人もいれば、事業内容を見て判断する人もいるでしょう。どちらにせよ気を付けなければならないのは、割安の銘柄を買ってしまうことです。
PERやPBR、配当などから判断して、非常に安くなっている銘柄は散見されます。しかし良く調べてみると、その銘柄は数年間、割安なまま放置され、出来高も減少していることがあります。
このような銘柄は事業の転換や経営者の交代など、会社組織の抜本的変化がないと株価も上がらないことが多いのです。それどころか、業績が悪くなり最後には上場廃止・倒産という場合もあります。
あなたの判断基準で割安度を測ることは良いのですが、株式を購入した後、株価上昇や配当などで、あなたの資産が増えなければ意味がありません。優良株が一時的に安くなっているところで購入したいと考えるなら、その会社の成長性・事業安定性・配当が重要な判断材料になることを覚えておいてください。
「株の割安度」を測る3つの目安
株の割安度を測る、3つの目安を見ていきます。少しでも株の勉強をしたことのある人なら、知っているのモノばかりでしょう。この値の読み取り方によって、その会社がどのような状態を表し、どんな時間軸で株価の上昇を見込むべきか、参考になるはずです。
・PER(株価収益率)
株価の割安度を測る指標として、最も有名なものの1つです。算出方法は、1株当たりの利益で株価を割ります。値の目安としては、大型の安定株で12~20程度になります。株の割安度判断としては、値が低いほど割安といえます。無料の株式関連サイトで確認できるので、自分で計算する必要もありません。
PERの判断における、注意点は2つ。一つ目は、値の目安が業種ごとに異なるということです。たとえば2021年8月21日時点、東証一部で、業種別PERが最も高いのは空運業です。一方、最もPERが低いのは銀行業で9程度です。
2つ目は、規模別でも大きく異なるということです。2021年7月末時点、東証一部の平均PERは25.8ですが、マザーズの平均PERは232.5です。これだけ大きな違いがあるので、安易にPERが一桁だから買うというのは、避けるべきでしょう。
ここで最も大事なのは、投資の時間軸に対するPERの判断です。PERは利益を基準に大きく変化するので、四半期決算の業績進捗で株価に大きな影響を与えます。購入した銘柄の決算発表期間が、投資継続判断の期間になると考えておかないと、業績の進捗が悪いにもかかわらず、株を持ち続けることになってしまいます。