ここからが地獄…役所から受けた「あり得ない扱い」
ここからが本当の地獄でした。
生活保護は、仮に申請を受理されても、30日間の「審査期間」があり、その審査を通らないと支給はされません。
彼はまさに、ギリギリの状態で生活保護を申請しました。ここからさらに、1ヵ月我慢しなければ生活保護を受給できないわけです。
途方に暮れながらも、彼は耐えて、待ちました。
待つ間、行政からの連絡は一切ありません。
20日経っても連絡がこない。29日目になっても連絡がこない。そして運命の30日目。彼に届いたのは「審査を通過しなかった」という通知でした。
「審査を通過しなかった」理由が、彼には理解できませんでした。現実に、家賃も払えないほどにお金がないのです。そこでもう一度、最後の力を振り絞って申請することにしました。
さらに30日。ほぼ水を飲むだけの生活で耐えましたが、やっぱり審査は「不通過」。そこで彼は、我々に電話をすることになります。
「おれは死ぬ」。これが第一声でした。
「どないしたんですか?」と聞けば、彼は「もう誰も信用できません」と答えます。そして、自分で生活保護を申請しても審査が通らず、知り合いの議員に会いに行っても何の力にもなってくれず、近くのNPOにも助けを求めたけれど全部却下されたのだと、ここまでのいきさつを語ってくれました。