灘中合格者数16年連続1位を誇る浜学園の橋本憲一塾長は、塾で勉強する子どもには「弱点が生まれて当たり前」といいます。その真意を見ていきましょう。※本連載は橋本憲一氏の著書『灘中に合格する子は学力のほかに何を持っているのか: ワンランク上の志望校に受かるための能力と習慣』(ポプラ社)より、一部を抜粋・再編集したものです。
灘中合格者日本一の塾長が「塾は弱点が生まれる場所」と断言する真意

効果的な復習を繰り返す「スパイラル方式」

弱点の生まれない教育を求めるのであれば、それはレベルを下げて各単元を平易にしたらいい。

 

でもそれは、子どもの伸びていく力を奪いとる行為にほかなりません。ましてや進学塾と呼ばれるところは、指導内容に幅をつけて徐々に難しくしていくものです。

 

浜学園ではそれを「スパイラル方式」と呼んでいます。各学習単元は低学年から高学年まで系統的に繰り返し学べるようになっていて、子どもの理解力の発達に合わせて「経験の段階」→「使用の段階」→「意味理解の段階」と同じテーマを繰り返し提示していきます。

 

まず同一学年で繰り返し学習し、次に学年をまたいで再度復習する。これが浜学園独自のスパイラル方式です。

 

例えば、小4の授業でつるかめ算、平均算、過不足算、消去算などの文章題を学習したけれどそれがなんとなく苦手だったとします。いわゆる「弱点」ですね。でも浜学園ではその単元が小5に上がっても、小6になっても授業に登場するようになっています。

 

そのため小4のときはわからなかったとしても、小5で再び向き合ったらつるかめ算、平均算、過不足算はできるようになった。でもまだ消去算が弱い。しかし小6で再々度向き合ったら消去算も理解できるようになった。

 

このように、子どもがなんとなく弱い単元も、最初は興味が持てなかったテーマも、あるいは病気で授業を休んでしまったという場合でも、スパイラル方式なら自然と穴が埋まっていくものです。

 

「弱点を克服させたい」と思ったら、埋まる時間を待たなければなりません。子どもの弱点が気になるときは、ご両親がご自分、つまりご両親の焦りの穴を埋めようとしているときです。親がそれを辛抱できたらいつか穴は埋まります。弱点が生まれるのは強みがあるからです。わが子の「強み」を見つめてあげてください。

 

 

橋本 憲一

浜学園

学園長

 

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