偶然に左右されやすく、ローリスク・ローリターンな投資方法である「スキャルピング」。トレードに際してよく使われる指標のひとつが「ボリンジャーバンド」です。一体何か? 見ていきましょう。
統計学の標準偏差を用いた指標「ボリンジャーバンド」本当の使い方 ※画像はイメージです/PIXTA

「ボリンジャーバンド」の利用法と注意点

ボリンジャーバンドは、たとえば「高値側の標準偏差ラインにローソク足が近付けば売り、安値側の標準偏差ラインにローソク足が近付けば買う」のような使われ方をします。

 

また、+2σを超えた場合(約95.4%はそこで収まるはずなのに、そうではない)はトレンドが上向きになっていると判断し、順張りで買ってまたすぐに売る、という使い方もできます。

 

前述通り、株価は長期的には企業の実態を反映しますが、短期的には単なる偶然のような動きをする傾向があります。

 

したがって、スキャルピングのような超短期トレードの場合、「株価の動き」を「企業の実態」から完全に分離させ、統計・確率にもとづいた機械的な取引をすることも、一定の有効性があるのかもしれません。

 

ただし、以下の点にも注意するべきでしょう。

 

まず、「株価がボリンジャーバンドの±3σの範囲内に収まる確率が約99.7%だとしても、約0.3%の確率ではそれを超える」ことです。約0.3%は、1000回に3回の確率であり、頻繁にトレードをしていれば、やがて出くわす確率です。

 

確率が低いけれども、そんな大きな変動に出くわす可能性はゼロでないのですから、全財産をそこに賭けない、高レバレッジを効かせた取引をしないなど、そんな事態にも備えておくべきでしょう。

 

また、ボリンジャーバンドという指標は、あくまで現実を説明しようとする「理論」ですので、その理論が現実を完全に説明しているとは限りません。たとえば、銘柄や期間によっては、想定されている確率以上に±2σや±3σを超える株価変動が起きることもあり得るでしょう。

 

ですから、決してボリンジャーバンドだけを参考にせず、資金の投入の仕方を考えたり、その他の指標を参考にしたりすることも大切です。

 

■まとめ

スキャルピングは、偶然に左右されやすく、ローリスク・ローリターンな投資手法です。その際には、統計学の標準偏差を用いた指標であるボリンジャーバンドを、参考にするのもよいかもしれません。

 

ただし、決してボリンジャーバンドだけを参考にせず、資金の投入の仕方を考えたり、その他の指標を参考にしたりすることが大切です。