コロナ禍、これまで以上にネットを介したコミュニケーションが増えています。しかし、ネット上でのやり取りは、リアルの対話とは異なる心理になりやすく、そこを自覚していないと、相手との距離感を見誤ることになります。心理学の専門家である目白大学名誉教授、渋谷昌三氏が解説します。※本記事は『相手の心が9割わかる 大人のブラック心理学』(日本文芸社)より一部を抜粋・再編集したものです。
【心理学者が解説】オンラインで「コミュニケーション弱者」になりやすい人・なりにくい人 ※画像はイメージです/PIXTA

オンラインを「リアルな出会い」の入り口にする方法も

●チャンスという意味で考えれば、リアルもオンラインも同等

 

ネットにおける匿名性がもたらす注意点について上述しましたが、その一方で、ネットをリアルな生活の充実に活用している人もたくさんいます。

 

オンラインでの出会いは、今やめずらしくありません。それでもやはりなんとなく抵抗があったという人、オンラインで出会いを求めているということを隠しておきたいと思っている人にとっても、最近では抵抗がなくなった、もしくは薄れてきたのではないでしょうか。

 

出会いのチャンスという意味では、リアルもオンラインも同じです。むしろオンラインのほうが制約なしに出会いまでは進める可能性もあります。ただし、実際にパソコンやスマホを通してのやりとりとなると、覚えておきたいテクニックがいくつかあります。

 

●相手が「自分に会うために準備してくれた」と感激すれば…

 

基本的なことですが、映像や音声がよくないと印象アップは望めません。電波のいい場所選びや、必要なら外付けのカメラ、スピーカーとマイクなどを駆使して、よい環境でオンライン婚活に臨みたいものです。リアルな出会いの場に臨む時に、服装や髪型、メイクに気を遣うことと同じです。「自分に会うためにしっかり準備をしてくれた」。それが好印象の第一歩。なりふり構わない感じ、間に合わせの感じでは、相手にとって承認欲求も社会的報酬も満たされません。

 

その上で、自分と相手の気が合うということを印象付けるミラーリングのテクニックを使ってみましょう。相手の行動をさりげなく真似するテクニックです。相手が画面の中、デスクの上で両掌を重ねたら、自分もそうする。飲みものを口にしたら自分も飲む。これだけで効果抜群です。

 

わざとらしくならないよう気をつけて、ミラーリングで同調効果を狙います。これは、オンラインで話した後のラインなどでも使えます。例えば改行の仕方やスタンプのイメージなどを、相手にさりげなく合わせるのです。誰でも自分がいいような形で改行したり、スタンプを使ったりしているので、自分とシンクロする使い方に対して好感を覚えるのは当然です。

 

他にも、できるだけ相手が自由に答えられるオープンな質問をすること。イエスかノーで答えられる質問は、そこで終わってしまう可能性があります。これをクローズドの質問といいます。「お寿司は好きですか?」と質問するのではなく、「どんな食べものが好きですか?」「お寿司のネタなら何が好きですか?」などと質問します。相手のメッセージを引き出すこと。そして「とても楽しいけれど、お互いに明日も忙しいですよね。またやりとりできる機会を楽しみにしています」と、相手の社会的報酬を満たしながら余韻を残して切り上げることを心がけましょう。

 

【オンラインで意中の相手と距離と縮める】

 

オンライン婚活で会話が続かない、距離が縮まらないという人はミラーリングを使ってみよう。相手の言葉を繰り返したり、相手の仕草を真似たりすると〇。

 

自分に近いと錯覚させるのはネット上でも有効な手段!

 

ラインはオンライン婚活でもよく使われるツール。女性は男性から早く返信がほしいと思うもの。返信しやすい状況をあえて作ろう。

 

◆大人のブラック心理テク◆

オンラインは心理学的テクニックが使いやすい

 

渋谷 昌三

目白大学名誉教授