デイトレードは、「日計り商(ひばかりあきない)」
また、過去の一定期間における価格変動を基準に、翌営業日までに生じるリスク(=発生する可能性のある損失額)を算出し、その金額を証拠金額とします。過去の価格変動幅が大きい(=価格変動リスクが大きい)時、証拠金は多めに算出されます。逆に、過去の価格変動幅が小さい(=価格変動リスクが小さい)時、証拠金は少なめに算出されます。
このように、リスクに応じた証拠金額を設定するため、価格変動リスクが高い時は建玉を抑制する効果が発揮されます。半面、価格変動リスクが低い時はレバレッジを高めたり、建玉を増やしたりして積極的な取引をすることが可能となります。
従って、効率的な運用を行うことができるといえます。つまり、SPAN(R)証拠金制度は、価格変動や保有する建玉全体のリスクの大小に応じて証拠金額を加減するシステムといえます。
3.委託手数料
証拠金のほか、必要となる資金は委託手数料と委託手数料にかかる消費税です。また、受渡決済を行う場合、決済時には委託手数料ではなく、受渡手数料と受渡手数料にかかる消費税が必要となります。
商品先物取引における手数料は自由化されています。そのため、手数料体系は、会社により異なります。手数料は、1枚の売買ごとに手数料を設定している会社が多いようです。1枚の売買ごとに手数料を設定している場合、税込手数料を呼値あたりの価格に計算することができます。
これを「手抜け幅」といいます。手抜け幅は、往復税込手数料を倍率で割り、それを呼値の単位に繰り上げることで算出できます。
手抜け幅=往復税込手数料÷倍率
たとえば、東京コメ(1枚=200俵)の税込手数料が往復1万4810円だった場合、手抜け幅は、1万4810円÷200倍=74.05…≒80円となります。
東京コメは呼値の単位が10円のため、手抜け幅は80円と計算できます。たとえば東京コメを買った場合、買った価格より70円の上昇による損益はまだ手数料分マイナスですが、80円の上昇となれば手数料分を差し引いても利益が若干出ている状態といえます。
「手抜け幅」を覚えておけば、損益概算が簡単にできるので便利です。また、建玉をしたその日のうちに決済する、いわゆるデイトレードの場合、決済時の委託手数料を無料としている会社が多いです。
デイトレードは、「日計り商(ひばかりあきない)」とも呼ばれます。なお、株式取引の場合、手数料は買った時、売った時にそれぞれ徴収されます。商品先物取引業者の場合、決済時に往復の手数料が一括徴収されます。
三次 理加
ファイナンシャルプランナー