十分な睡眠時間をとっていても、疲れが取れない、日中に眠くなるという方は少なくありません。もしかすると、日々の生活習慣が影響を及ぼしている可能性もあるため、要注意です。スタンフォード大学医学部教授の西野精治氏が、専門家の見地から良質な睡眠を得る方法を解説します。※本記事は、『眠れなくなるほど面白い睡眠の話』(日本文芸社)より抜粋・再編集したものです。
昼間の強烈な眠気は「夜のくつろぎタイム」が原因かもしれない (※写真はイメージです/PIXTA)

朝のコーヒータイムは、目覚めに効果的だが…

●日中をすっきりすごす秘訣

 

コーヒーなどに含まれるカフェインには、アデノシンという脳内物質の働きを妨害する作用があります。アデノシンは睡眠物質のひとつと考えられていて、覚醒作用のあるヒスタミン神経などを抑制し、睡眠を促すものです。

 

カフェインがアデノシンの働きを妨害することで、ヒスタミンが放出されやすくなり、脳を覚醒させるのです。また、カフェインは代謝を上げたり、血行を促進したりするともいわれます。

 

朝のコーヒータイムは、目覚めに効果的です。家族と話しながら飲むと、会話による刺激もくわわり、相乗効果が期待できます。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

自宅でゆっくりコーヒーを味わう時間をとれない場合、自動販売機で購入するのではなく、カフェでテイクアウトするのがおすすめです。注文時のちょっとした会話による刺激が、覚醒度をより向上させてくれるでしょう。

 

一方、眠る前にカフェインをとるのは要注意です。実際、就寝1時間前と3時間前に、カフェイン入りコーヒーを1杯ずつ飲むと、寝つくまでの時間が10分ほど長くなり、睡眠時間は30分ほど短くなるという報告があります。

 

血中のカフェイン濃度が半分になるまで、4時間ほどかかるともいわれます。眠る前にコーヒーを飲みたくなったときは、デカフェ(カフェイン抜き)のものを選んだほうがよさそうです。