人間にとって14時ごろは眠くなる時間帯であり、眠気に逆らうより眠ったほうがいいと考えられています。生産性向上を目的とした短時間の仮眠は「パワーナップ」と呼ばれ、世界的な企業も積極的にとり入れています。スタンフォード大学医学部教授の西野精治氏が解説します。※本記事は、『眠れなくなるほど面白い睡眠の話』(日本文芸社)より抜粋・再編集したものです。
厚生労働省も認定していた!「午後の短時間睡眠」の健康効果 (※写真はイメージです/PIXTA)

14時ごろは眠くなる時間帯…いっそ「午睡」の習慣を

●昼間の眠気に勝つ秘訣

 

昼食をとってもとらなくても、14時ごろは眠くなる時間帯(アフタヌーンディップ)なので、眠気に逆らうよりも、そのまま眠ってしまったほうがよいともいわれます。

 

スペインのシエスタのように、昼寝の習慣が浸透している地域もあります。

 

生産性を上げることを目的とした短時間の仮眠は「パワーナップ」と呼ばれ、世界的な企業が積極的にとり入れています。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ある実験で、数日間連続して起きていても、12時間ごとに2時間の仮眠をとると、仮眠後のパフォーマンスが向上すると立証されています。ふだんの生活での2時間の仮眠は非現実的ですが、1日20分程度の仮眠でも、ある程度の効果が得られることがわかっています。

 

ただし、30分以上寝るのは避けましょう。眠りが深くなって睡眠慣性が出やすくなり、起きてからの集中力も低下してしまいます。また、子どもに顕著ですが、夕方以降に眠ると、夜に睡眠圧が上がらなくなり、夜遅くまで眠れなくなってしまう可能性もあります。それでも睡眠不足の大人は、できるだけ仮眠を心がけてください。

 

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」にも、「午後早い時刻に30分以内の短い昼寝をすること」が望ましいとあります。仮眠は20分程度がよいといえるでしょう。