なかなか寝つけない人は「芳香浴」を試してみよう
●リラックスする香りが眠りの準備を整える
芳香浴(ほうこうよく)とは、部屋を植物の香りで満たす、アロマの楽しみ方のひとつです。
古くから、植物は傷や病を癒(いや)すために利用されてきました。植物のもつ香りの力に注目し、療法として確立されたのが「アロマテラピー」です。アロマテラピーは、植物から抽出した香りの成分の精油(エッセンシャルオイル)を使って行ないます。
鼻から入った香りの情報は、感情や記憶に関係する脳の海馬(かいば)や扁桃体(へんとうたい)のほか、自律神経をつかさどる視床下部(ししょうかぶ)へと送られます。なかなか寝つけないとき、自律神経は交感神経が優位な状態にあります。アロマの香りを使って副交感神経が優位になるよう整えることで、心身ともにリラックスして眠りやすくするのです。
海馬は記憶にかかわる部位ですが、その香りと結びつくよい記憶が思い出されると、気持ちは自然と穏やかになります。また、好き・嫌いを判断する扁桃体に伝わり、「好きな香り」と判断されれば、心地よさを感じるようになります。
入眠のためには、心を落ちつかせる効果のある香りを選ぶことがポイントです。たとえば、ラベンダーの香りは、高いリラックス効果があると認められています。
眠る前には、鎮静効果のある柑橘(かんきつ)系の香りとブレンドすると、入眠効果がより高まるといわれています。