AI化、終身雇用の崩壊、コロナ不況……混沌としている世の中では「会社に頼らなくても生きていける力」を身につけることが大切です。その力の一つが、過去から未来を予測する「先見力」。経営者が高級品を買う際には、この先見力で判断しているといいます。詳しく見ていきます。※本連載は、金川顕教氏の著書『年収1億円の神ルール10』(ポプラ社)より一部を抜粋・再編集したものです。
お金持ちがこぞって「フェラーリ」を買う「本当の理由」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「ライフイベント」での出費を考えて現在の支出を見直す

先見力で欠かせないことに、ライフイベントがあります。ライフイベントとは、その人の人生で起きるさまざまなイベントのことです。転職、結婚、けが、入院、出産などがそれに当たります。そして、そこにもお金の問題はついてまわります。

 

けがや入院の費用、結婚子育てにかかる費用、老後に必要な資金など、自分の人生に何が起こりうるか、そしてそのそれぞれにどれくらいが必要なのかを知り、毎月収支の計算をして管理をすることが必要です。

 

例えば『ゼロから始める!お金のしくみ見るだけノート』(伊藤亮太/宝島社)によれば、結婚にかかる費用は平均で463.3万円と言われています。意外に高くてびっくりするのではないでしょうか。婚約から新婚旅行を含めての金額ですが、夫婦で折半をしたとしても200万円以上の支出です。

 

1人暮らしの引っ越しの平均額は102万円と言われています。インテリアや家具で40万円、家賃・敷金・礼金で20万円、家電で30万円、引っ越し代金が10万円で、約100万円です。

 

子どもの教育費は、私立か公立かによって変わってきますが、1人あたり2000万円から3000万円かかります。

 

「結婚しない」「子どもはいらない」という人もいますが、いつ自分の考え方が変わるか分かりません。

 

10年後、20年後、30年後、何が起こるのか、そのためにはどれぐらいお金が必要なのかを考えて、車選び、住宅選び、保険選びなどを見直すことも先見力を養うためには必要です。

「株価チャート」を毎日チェックして将来を予測する

先見力は一朝一夕に身に付くものではありません。日々の積み重ねがとても重要です。

 

先見力を養うために、日々、勉強できるものとして、一番の教材になるのが「お金」だと筆者は思っています。中でも、投資が一番勉強になると思っています。そこで筆者は、日経平均、S&P500や世界株式のチャートなど、日々変化するものを見ています。

 

iPhoneには、標準アプリで株価チャートが入っているので、毎日見る癖を付けるといいでしょう。できれば、10年単位、5年単位、1年単位、1ヵ月単位と、マクロの視点で見てからミクロの視点で見ることが大事です。コロナ前後や、アメリカの大統領選前後など、国内外の社会の出来事と照らし合わせて、どう変わったかを意識して見ていきましょう。

 

これは、みなさんに、投資家になれということではありません。しかし、どうせ見るのであれば、実際に投資をしたほうが興味を持ちやすいので、ネット証券で100円からできる積立の投資を、お小遣いの範囲内で始めるのもおすすめです。インデックスファンドに投資をして、毎日チャートを見ることで、世の中の流れが見えてきます。

 

世界株式、アメリカ株式、TOPIX、日経平均。そういったものに投資をしながら毎日チャートを見て、相場を見たり、今後を予測したりすることが、先見力を磨くことにつながるのです。

 

ここで重要なのは絶対的な正解は何か?を考えるのではなく、このタイミングで下がるのかとか、ここで上がるのかというように、チャートをしっかり見て推移を追うことです。さらには、今後の日本はどうなっていくかを考えてみることも非常に重要です。そういった活動を通して先見力も養われていきます。

 

金川 顕教

公認会計士