節税知識で「大増税時代」を生き残る
日本の法人税率は先進国の中でも高いレベルといわれており、地方税なども含めた法人税の実効税率は35.64%(復興特別法人税を考慮した場合38.01%)にものぼります。
米国などに比べれば低いものの、フランス、ドイツ、中国など他の諸外国と比べると、依然として高いままです。法人税率の高さを嫌って、日本の大手企業が、海外に本社を移すところもあるといわれています。
大手企業のように、海外に本社機能を移すだけの財力があればいいのですが、中小企業の場合はそうはいきません。賢く「節税」を実行して、できるだけ税引き後の最終利益を増やすように心がける必要があります。
しかも、今後の日本はどう考えても「大増税時代」を迎えようとしています。消費税が10%になり、増税分の価格転嫁が進まなければ、材料費などが現在より2%のコスト増になります。さらに、1003兆円ともいわれる日本の公的債務の将来を考えると、10%の消費税率だけでは財政赤字の減少にはつながらないといわれています。さらなる税率アップは避けられないでしょう。
言い換えれば、何らかの形で企業や個人の負担が増えることは確実で、まさに、経営者は賢く、巧みに、そして大胆に節税できなければ、会社は生き残れません。大増税時代に立ち向かうサバイバル時代に入ったともいえます。
「利益」の管理が節税の第一歩
大増税時代がやってくるのに備えて、できるだけ納める税金の額を減らしたい――。そう考える経営者は、あなただけではありません。おそらくすべての経営者は節税をしたいと思っているでしょうし、できれば納める必要のない税金は支払いたくないと思っているはずです。
むろん、企業会計となると税理士や公認会計士といった税金のプロにチェック(監査)してもらって決算書を作成することになるわけですが、節税をする場合には、まず税理士や公認会計士を説得できるかどうかが重要になってきます。
税理士や公認会計士が、節税の方法を教えてくれる場合もありますが、はっきりいって彼らが積極的に節税の方法をレクチャーしてくれていると思ったら、大間違いです。
「この程度の規模の会社なら、このぐらいの税額は納めなくては」と思っている税理士、公認会計士は少なくありません。その場合、節税の裏技などは積極的に教えてくれないかもしれません。そういう意味では、経営者が税の基礎知識をきちんと学び、自分自身で節税のノウハウを身につけるべきです。
次回は「経費」の知識の重要性についてご紹介します。