50代会社員、初の海外赴任で「フランス人に仰天」の理由

50代会社員、初の海外赴任で「フランス人に仰天」の理由

50代にして初の海外赴任を命じられた会社員。赴任先のフランスでは「日々驚きの連続だった」と述べています。本連載では、日本人とフランス人の国民性について学んでいきましょう。

着任三日目から、会社の車を借りて通勤開始

会社が工場で、郊外にあるためどうしても車で通勤をしなくてはならない。最初は会社の人に車でホテルまで送り迎えしてもらったのだが、いつまでもそうしてはいられず、着任三日目から会社の車を借りて通勤を始めた。

 

左ハンドル、右側通行と日本と反対の上、道もよくわからないため、毎日道に迷っているような状況がしばらく続き、着任後二ヵ月になる最近になってようやく慣れてきた。

 

そんなある日、会社の帰りに、いつも通る国道が工事中のため迂回を余儀なくされ、初めての道路を通らなくてはならないはめになった。そして道に迷ってしまった。

信号のないフランスで、なかなかロータリーを出られず

フランスでは日本でいう交差点がロータリーになっている(イギリスも同じと聞く)。右折する場合は九十度回ったらロータリーから出る、直進は百八十度回り、左折は二百七十度回る(これは二つの道路が交差する場合で、もっと多くの道路が交差すると角度が細かくなる)。三百六十度回るとユーターンできる。

 

信号はなく、合理的なシステムだと思うが、慣れないとどこでロータリーを出たらよいかわからない。またロータリー内も周回する車が優先なのか、侵入する車が優先なのか、場所によって違いがあるという。

 

その違いは標識を見ればよいとわかったのはずっと後のことだ。やれやれ。

 

この時点まで周回車優先のロータリーしか走ったことがなかった。進入するとき、左から車が来るが内側を走っているので大丈夫かと思い、その車の前に進入したらクラクションを鳴らされたりする。

 

そうかもっと待たなくていけないのかと、今度はロータリーの入り口で待っていると後ろの車から早く入れとクラクションを鳴らされたり、どうもこのシステムに慣れるのは時間がかかりそうである。

 

その日はこのロータリーを何箇所か回っているうちに自分が行こうとする方向がわからなくなってしまったというわけだ。

「帰れなくなってしまうのでは」とパニックになり…

時刻は夜の十時で真っ暗、道路標識もよく見えず途方に暮れてしまった。このまま帰れなくなってしまうのではと、道路をぐるぐる回りながら気持ちは焦るばかり、気がつくと日本で運転している時の感覚になってしまい、左側を走っていたり、ウインカーのつもりがワイパーを動かしてしまったりとパニックになった。

 

三十分か四十分ほど迷いつづけたあげくようやく人を見つけ、車を止め、道に迷ったのでレンヌに帰る道を教えて欲しいとすがるような気持ちで聞いたところ、それなら自分も帰るところだから、車で後を付いて来るようにと言ってもらったときには、安堵して、いっきに力が抜けた。ということでようやくアパートに帰ることができたのだった。

 

道に迷って、自分の車の後に付いて来るようにと先導された経験はこれで三度目になる。親切なフランス人に感謝である。

 

 

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※本連載は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載『ブルターニュ残照』を再編集したものです。

ブルターニュ残照

ブルターニュ残照

峯岸 隆臣

幻冬舎メディアコンサルティング

50代にして初めての海外赴任。しかも行先はフランス! 車の運転、スーパーでの買い物、ガソリンの入れ方などわからないことだらけ。 意外にも親切だったフランス人に数々の場面で助けられながら、好奇心いっぱいに暮らしてわか…

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