遺言書の保管申請…出直す人が多い
法務局で保管してもらえる遺言には、簡単にいうと、5つの要件があります。
②規定の余白を守る
③名前を書く
④印鑑を押す
⑤書いた日の日付を書く
細かな注意事項は、こちらの法務省ホームページをご覧ください。
筆者が、遺言書の保管申請をして、待合室で待機している間に、遺言を書いて持ってくる人が何名もいましたが、その多くが、要件不備で保管を受け付けてもらえず、出直すことになっていた様子でした。
※ちなみに、東京法務局の遺言書保管所における保管手続は、個室での個別的な対応ではなかったため、他の遺言者と法務局の人のやり取りは、待合室にいる間、普通に聞こえてしまいました。もう少しプライバシーに配慮した作りにしたほうが良いと思います。
筆者がちょうど遭遇した方々は
・本文をPCで入力してしまった人
・遺言執行者を設定したいのに、誰にするか決まっていなかった人
などです。このように、せっかく自分で遺言書を書いて持っていっても、要件不備で持ち帰りとなることも多くあります。この制度も便利ではありますが、やはり、公証役場で作成する遺言のほうが、確実性が高いため、おススメです。
注意!法務局で「遺言内容のアドバイス」はなし
法務局の担当者から、遺言の内容に関するアドバイスを受けることはできません。前述の5要件を満たしていないことにより無効となることは免れられますが、内容自体のチェックは一切してもらえませんので、保管した遺言書が有効であるとは限りません。
そのため、せっかく遺言書を作成するのであれば、私は、公証役場で公証人の先生と確実な遺言書を作成されることを、おススメします。
遺言書の保管…手数料はいくらかかる?
遺言の保管には、手数料がかかります。その金額は、3,900円です。なお、保管申請以外の閲覧などの手続きにおいても手数料が発生します。詳しくは[図表2]にて確認ください。
手数料は、カウンターで現金払いをする訳ではありません。専用の台紙に「収入印紙」を貼ることで、支払います。収入印紙は、郵便局で購入することもできますが、保管する法務局内で購入可能です。ちなみに、東京法務局では、遺言書保管所とは別の階で販売しており、印紙の販売場所は、遺言書保管所の担当者が案内してくれました。
なお、購入するタイミングは、遺言書が要件を満たしていて、保管可能であることが確実になってからがおススメです。
筆者が申請手続きを待っている間だけでも、何人か遺言書を保管に訪れていましたが、ほとんどの人は要件を満たしておらず、保管することができていませんでした。そのため、先に購入せず、保管することができると確定してから購入したほうがいいでしょう。
遺言書保管所は、どんな場所なの?
遺言書保管所は、場所どのような場所なのか気になるでしょう。筆者が実際に伺った東京法務局の遺言書保管所は、[写真]のようなところでした。
「法務局」と聞くと、なんだかハードルが高いように感じますが、いわゆる“お役所”と同じ雰囲気なので、一般の人も違和感なく訪ねることができると思います。
[写真]左上から:筆者が遺言書を保管した「東京法務局本庁」、東京法務局の8階に到着して、廊下をまっすぐ進むと……、ありました! 遺言書保管所、カウンターで保管申請手続きを行います。コロナ対策で、透明フィルムが担当者さんとの間に設置されていました
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