畜産とさつまいもで有名な鹿児島県、理由は桜島にあり
鹿児島県の人にとってお酒と言えば、まず芋焼酎(いもじょうちゅう)が思い浮かぶのではないでしょうか。鹿児島県はさつまいもの生産量が際立っています。焼酎(しょうちゅう)の原料はさつまいもなのです。
●火山なのに桜島がある、大隅半島
鹿児島県を代表する活火山は桜島です。どうして、山なのに桜島と言うのかわかりますか? もともとは島だったからです。噴火によって東側の大隅(おおすみ)半島とくっついてしまいました。
●水はけのよいシラス台地は、さつまいもやお茶の生産向き
鹿児島県の西は薩摩(さつま)半島です。鹿児島県では、広い範囲に火山灰が降ると言われています。桜島もよく噴火しますし、宮崎県との県境にある霧島山も噴火することがあります。このあたりに広がる火山灰などによる白い土を「シラス」と呼びます。
シラスが広がっている土地は、まず稲作には向いていません。
火山灰は水を通しやすく、水はけがよいためです。その分、米ではなく、水がそれほど必要ないものをつくっています。
鹿児島県は、さつまいもの生産量が1位、茶の生産量が2位です。どちらも水はけがよい土地に向いた作物だからこそ、鹿児島県での生産が伸びたのです。
●牧草地になるシラス台地は畜産もさかん
また、鹿児島県は畜産がさかんです。
肉用牛の飼育頭数は2位、豚は1位です。肉用若鶏の飼育羽数では、宮崎県と1位を争っています。稲作に向かないような土地でも、家畜を飼うことはできます。このように、シラス台地が広がっているために、特徴的な農業を行っているのです。
シラス台地は土砂崩れが起こりやすいことも押さえておきましょう。水を含んだらすぐ崩れてしまうかもしれず、危ないのです。
●全国2週間分をまかなえるほどの巨大な石油備蓄基地
薩摩半島の南部を見ていきましょう。
喜入(きいれ)(鹿児島市)には、かなり大きな石油備蓄(びちく)基地があります。もし、石油が輸入できなくなっても、ここだけで全国で使われる2週間分の石油をまかなえるくらいの備蓄があります。
●かつおの水揚げとうなぎの養殖でも有名
さらに南に行くと、枕崎(まくらざき)市があります。枕崎港(まくらざきこう)と言えば、かつおの水揚げで有名です。
また、鹿児島県はうなぎの養殖量1位です。静岡県の浜名湖(はまなこ)が有名なので、静岡県が1位だと思ってしまう人もいるのですが、鹿児島県のほうが養殖量が多いのです。
●屋久島・種子島・奄美大島も鹿児島県
南部には多くの島があるのですが、中でも絶対に覚えておくべき島が2つあります。まず、トマトのような形をしており、世界遺産に登録されているのが屋久島(やくしま)です。屋久杉(やくすぎ)で有名ですよね。
そして、九州でもっとも高い山があります。宮之浦岳(みやのうらだけ)です。九州で一番高い山は阿蘇山でも、桜島でもありません。意外ですよね。屋久島の降水量は年間を通じてかなり多く、夏はほとんど毎日雨が降るようです。屋久杉を見に行こうと思ったら、雨ばかりで大変ですよ。
きゅうりのような形をしており、宇宙センターがあるのが種子島(たねがしま)です。1543年に、鉄砲(てっぽう)がポルトガル人によって持ち込まれたことでも有名です。ちなみに、1549年には、鹿児島県にキリスト教が伝わりました。
もっと南に行くと、奄美大島(あまみおおしま)があります。ここでは、「大島つむぎ」という伝統的工芸品がつくられています。
さらにその南に位置するのが徳之島(とくのしま)です。もっと南には与論島(よろんとう)があります。ここまでがすべて鹿児島県です。
松本 亘正
中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表
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